土曜日。カイカイのバスケ試合の日。朝からせっせとカイカイのバスケシューズを磨くおとーさん…。

何してるのー?とのぞき込むオレオの図。
 
おとーさん、「自分のテニスシューズだってこんな風に磨いたことないよ!」とか言っていた。カイカイがバスケ頑張ってて、毎回の試合を楽しみにさせてくれているから…。おとーさんの入れ込みようが伝わってくるでしょう?
 
今日の相手チームは、強豪ってわけでもなく…もしかしたら、ひょっとしたらうちのチームでも勝てるかも?と思わせてくれる相手。
そして、まずは開始後3分で、カイカイのシュートが決まって、わがチーム2点!
 
そしてセカンドクォーターの時点で、カイカイのシュートがもう3回決まって、わがチーム8対4!!
第三クォーターでカイカイのシュートがまた決まって、10対8!!
その後、相手の反則で得たフリースローで、カイカイがもう1点。11対10。
そして魔の第4クォーター…相手チームのある子が2回もスリーポイントを決めたりなんなりで、まさかの11対18で試合終了…。
あーーーーーーまた負けた~~~。しかも逆転負け。
 
おかーさん、ひょっとして、ひょっとして、今回はまさかの勝利!?とか思ったのに。苦い敗北。
 
カイカイ、第4クォーターで逆転されて。怒ってブチ切れちゃうんじゃないかと思ったけど、平静を保っていたし、試合後に泣いちゃうかと思ったけど、チームのみんなの前で笑顔を見せていた。
 
いやーーーーーーー惜しかった~~。
っていうか!
うちのチームの得点、全部カイカイ一人が入れたものだよ!
 
おとーさんが一言「バスケは一人じゃ勝てないってことですな」
 
そうねー。
 
うちの2軍チーム。へっぽこチームなりにも、成長はしているの。
 
1.背の高い初心者ボーイズ2人が、「リバウンド」というスキルを覚えて、ゴール下でボールを取ってくれるようになった
2.ちびっこいけれど、すばしっこくて、これからグイグイ成長しそうな予感の男の子が、何回かナイスアシストをして、カイカイからのパスを受け取る→カイカイに再度戻す→カイカイシュートで得点 という流れをやってくれた
 
ただ。
申し訳ないんだけど、カイカイと2年間ともに苦汁をなめて頑張ってきているペイトンが、足を引っ張っているーーーー!ここにきてまだ「Me me meの森」を抜け出せないでいる!!!
 
カイカイとペイトン。ペイトンのほうが半年ほど年下。
二人のレベルはどっこいで。二人で2年間、2軍チームで苦労してきて、それなりに二人の間には「共に頑張ってきた仲間」意識はあるはず。
去年の夏のリーグの時点では、ペイトンのほうがわずかに技術力もシュート力も上で。
試合ではペイトンが得点を挙げることの方がメインだった。
 
しかし、そのあたりから、ペイトンは、「Me me meの森」の住人と化してしまった…。
「Me me meの森」…
 
おかーさんが勝手に作った想像上の森ですが。
バスケ上達の道を、ロールプレイングゲームに例えるなら。
若き勇者が入り込んで、なかなか抜けられない恐ろしい森があると思う。
それが、「Me me meの森」(オレ、オレ、オレがやる!の森とでも言いましょうか?)
 
この森をさまよう選手たちは、一度ボールを手にすると、絶対自分が決めて見せる!と、誰にもパスをしません。
この森に陥りやすい選手は、自分がシュートを決めて、みんなからの歓声を受けたことがある人達。
あの時の気持ちよさが忘れられない+自分が何とかしなくちゃ、自分ならできるかも!みたいな思いになっちゃうんだろうな―。
 
カイカイにはくれずれも「Me Me Meの森」に入り込むことのないように、言い聞かせています。
もともとカイカイは、逆に「自信がないから、自分ではシュートしようとせず、決定的なチャンスがあっても、誰かにボールを譲っちゃう」タイプだったので。今、やっと、自分でも積極的にシュートするようになった=割と入るようになった あたり。
もし「Me me meの森」に陥ることがあるとしたら、今からのはず。
 
 
ありがたいことに、今のところ、カイカイはMe me me の森に引きずり込まれることなくやれています。
でも、カイカイがポイントガードをしていて。
ボールを持っているカイカイに、相手チームが向かってくる。
 
するとカイカイに残された道は
誰かにパスする OR 自分で切り込んでいく
 
カイカイは基本、誰かにパスしようとするのだけれど。味方4人のうち3人は初心者で、全然動いてくれない。もれなく相手チームが一人ずつついていて、とてもパスできる状況じゃない。残りの一人がペイトンの場合、カイカイはペイトンのパスをして、それはたいていうまく通る。でもその後、一度ペイトンにボールを渡したら、ペイトンは二度とほかの人にパスしないで、ずっと自分でドリブルしまくって、最終的にはトラベリングを取られたり、相手チームに囲まれて身動き取れず自滅。このパターンを、ペイトンはこの試合で8-10回やったのよ!!同じ過ちを、そんだけ繰り返すって!!!思わず、「ペイトン、パスしなきゃダメだよ!」って叫んじゃったわ、おかーさん。それでもペイトンは、自分のドリブルの技におぼれ、自分一人で向かって言って、自爆…。この日のペイトンの成功率0%よ。私がコーチだったら、そんんだけ同じ失敗を繰り返す人は、もう少しベンチに下げる…。
 
うーーーん、カイカイとともに苦労してきた子だから、親しみはあるし。一緒にうまくなってほしい!という思いはあるんだけど…。
ここ最近の彼は、正直足を引っ張っている。
そしてそのことに気づいていない。
カイカイと一緒にコートに出ていると、カイカイがポイントガードをしようとしても、「僕がポイントガードをやる!」と言い張って。カイカイが、君はあっちに下がって…と言っても、譲らなかったりして。最終的にはカイカイが譲っちゃって。そしてペイトンのポイントガード=一人でドリブルしまくって=自爆…。
 
あーーーーー。普段だったら別に、「まぁまぁ…」って思えるんだけど。こういうすっごく惜しい試合だと。あーあれで足を引っ張られなければ勝てたかもなのに と思わずにいられない。
 
 
試合直後、カイカイに「くやしかったね」って言ったら、一瞬泣き出しそうな顔をしていた。
それでも、すぐに抑えて、チームメートの他の子達とふざけて笑ったりしていた。
他の子供の親たちは、口々に「Kaiがんばったね!」「すごかったね」「もうすぐでこのゲーム、一人で勝利をもたらすところだったね」とか言ってくれてた。
 
後でカイカイに聞いたら、「くやしかったけど。僕は自分なりにはいいプレーができたから、まぁしょうがないかって」と言っていた。
そして、「もう『負ける』のに、慣れちゃった」と、「あ、そ?So what?」って感じになったと言っていた。
そうか~。
 
今回の試合、カイカイ一人で11点だったけど。
その11点の陰には、味方のナイスアシストが何回かあったことを忘れちゃだめだよ…とも言っておいた。
 
〇〇くんがリバウンドを取って、取ったボールを迷わずパッとカイカイに渡してくれたから、カイカイは速攻反撃できたでしょ。
あと、カイカイが△△君にボールをパスした後、ゴール下に入り込んでいって、そのことに気づいた△△君が、パッとカイカイボールを戻してくれたから、カイカイのシュートが決まった…ってことが2回あったよ。
そういう味方の子のファインプレーのおかげで、カイカイのシュートがあったわけで。
ほら、2年前、トレボン(昔のチームメート)がシューターでいつも得点していて、彼が目立っていた時、おかーさんは「確かにトレボンもすごいけど、カイカイがいいアシストをしたから、シュートにつながったんだと思うよ。シュートを決めた人ばかりが目立ちがちだけど、実はそこにつながるナイスアシストがあったわけで。それも大事な仕事だよ」って話したでしょ。今日は、カイカイが目立つ立場になって、みんなにすごいねって言われたけど、チームメートのファインプレーのおかげもあるってことを忘れちゃだめだよ…って。
カイカイ、自分が過去に、逆の立場だったことがある分、この話はすんなり耳に入ったと思う。
 
そして。さらには。
去年の冬のリーグ。カイカイは全然へたくそで。チームに貢献できていなかったころ。
同じチームにいた、メロー君。
すっごくうまいポイントガードで、「Me me meの森」に迷い込んでいない、ちゃんとパスもできる子で。
毎試合大活躍だったのに、チーム全体のレベルが低くて(当時のカイカイやペイトンを含む)、負けてばっかりだった。
おかーさん、「カイカイは別にチームに貢献できていないんだから、負けても仕方ないとして。メローはかわいそうだなー。あんなに頑張っていたのに、負けて、悔しいだろうなー」って思ったのよね。
今のカイカイ、メローのうまさにはまだまだ追いつけていないけれど、それでも、あれから一年。メローと同じような立場(自分は活躍したのに、チームは負けた)を味わうことに。
だから、「きっと一年前のメローも同じような思いを味わっていたと思うよ」とも話しておいた。これもすんなり耳に入ったんじゃないかな。
 
やっぱりバスケ。カイカイは苦労しているけれど、いい経験をしているように思える。
初心者でも、ポジションの関係で、するっと一軍(一軍の子が全員うまいわけではない)に入って、大して活躍していなくてもチームとしては毎試合勝っている子もいる中で。カイカイは逆にポジション的(背が高くない&すばしっこい=ポイントガード)に2軍になってしまい。活躍してもチームは負ける…。でもこの負け続きの中で、学んでいることがあると思える。
 
さーてカイカイ。今シーズン、勝つことはあるんでしょうかーーーー?