月曜日、おかーさんとソラ子が登校したら。ちょうど通用口のところに仲良しジョージアナちゃんがママと立っていた。なんでももう一人の仲良しセレニティを待っているんだって。

 

じゃあ、ソラも一緒に待つ~ってことで、5分ほど一緒に待っていたら、セレニティのママの車がやってきて。セレニティをドロップオフしていなくなっていった(ここの家のママは幼稚園児とベビがいて、大変なのだ)。

 

そうだ、こないだ作ったタイルのミューラルプロジェクト、週末の間に仕上げたみたいだから見に行こう!とジョージアナのママが言って。あぁ、それはいい考えだ!見たい、見たい!とみんなで正面入口へと歩いて行った。

 

確かに、入り口の周りにきれないタイルがずらっと並んで、2匹のキリンをモチーフにしたモザイクが出来上がっていた!おぉ、素敵じゃない?

 

近づいて自分たちのタイルを探す。

すぐにセレニティのが見つかった!

そして、ジョージアナのも、一番上の、目立つところにあって。タイル制作の時は失敗しちゃったところも、のちにアーティストの人がそれを活かしてくれて、逆にそこが目立つところになっていて。いい感じ。

 

さて、ソラ子の作ったのはどこかな?

 

 

……

 

…………あれ?

 

ない…。

 

ソラ子の作ったの、見当たらない…。

 

作ったときは色がなかったタイルも、アーティストがのちに色付けして。ジョージアナは「私は赤だった!」セレニティは「私はブルー!」と喜んでいる中、ソラ子は「私のはどこ?」

 

おかーさんにもわからない…。

 

とりあえず、もう学校が始まっちゃうから中に入ろう。あとでおかーさんがもっとゆっくり探しておいてあげるから…と言って、校内へ。

その間も、ソラ子は「Where's my tile?」と何度も何度も言っていた。みんなの前だから面白おかしく騒いでいるけれど、多分、内心はショック…悲しんだろうなって思う。

 

ソラ子達が教室に入った後、おかーさんはもう一度ミューラルのところへ。2回、3回、4回と、一つ一つのタイルを眺めていくけれど、やっぱりない。うちのタイルはない…。

 

中には焼いているときに半分に割れちゃったと思われるものもあって。そういうのも、半分に割れてちゃっていても、うまく合う場所に入れて使っているから、「工程の途中で壊れちゃったからはじかれた」とかはないと思うんだけど…。なくされた?どうした?

 

どういうことだろう?と思って立っていたら。

隣にいた女性が「うちのがない」と。

 

あ、そう?うちだけじゃない?

私のもないの!と話したら、別の女性も通りかかって、「うちのもない」と。

少なくても3家族、タイルを作ったのに使われていない模様…。

 

黒人さんのお母さんは、怒っていて。

「何のために寄付金払ったと思ってるんじゃ!(タイル制作の日に寄付を募っていたから、おかーさんも払った)」と。

そうね、そう言われたらそうだわ。

お金払って、こんな経験を買ったのだとしたら、悲しすぎる…。

 

おかーさんが、「娘が悲しそうだったから、どう説明したらいいのかわからない。」と言うと。

他のお母さんは「こんなことってないわ!残っているタイルをほかの壁に貼って使ってくれればいいんだけれど」と。

おかーさんも「I hope so」って言ったら。

先ほどの黒人さんのお母さんは「I hope じゃなくて、絶対そうしなくちゃだめよ!」と強気。

「あなたの娘にも、『まだタイルのプロジェクトは終わってなくて、あなたのはまだ使っていないだけ』と言えばいいのよ!」と。

 

そうかなぁ。

そういって、いたずらに希望を持たせて、いつ作ってくれるんだろう…とやきもきした挙句、やっぱりなしでした…なんて言うの、いやだよなぁ。

 

とりあえず、このミューラルプロジェクトのPTO側の担当者の名前がわかったから、おかーさんは、その人にメールしてみることに。

どういうことなの?

あれで終了なの?

使われなかった子のタイルはどうなるの?

娘にはなんて説明すればいいの?

仲良し3人組で挑んだ楽しいイベントだったのに、友達2人のは貼ってあって、娘のだけないんですが…これって、悲しい思い出に終わっちゃうんですか? 

私だけじゃなくて、同じように気になっている人がいると思うので、情報のアップデートお願いします… と。

 

メールした後も、気分が晴れず。

なんか、ひっさしぶりに、すっごーく悲しい気分を味わっているなーと感じたわけです。

なんか心の中にずーんと鉛があるような。浮かない気分。

トレジョでお買い物していても、心ここにあらず…みたいな。

 

楽しいイベントだったはずなのに。

ソラ子のタイルが学校に貼ってあったら、これから5年?8年?通う時に、あ、あそこにソラ子のタイルがる!ってHappyな気分になるはずだったのに。それが、逆に、あそこを通るたびに、ちょっと苦い気分になっちゃうのかしら。セレニティとジョージアナのはあるのに、ソラ子のだけはないんだ って。なんかなぁ、納得いかないなぁ。

 

どう考えたらいいんだろう?

 

1.生きている間には悲しいことなんていうのはいろいろあるわけで。そんな、「自分のタイルが使われなかった」なんていうレベルの悲しみを「悲しい!」と嘆いていられるなんて、そんなのは幸せな証拠…自分が生きるか死ぬかの病気と闘っていたとしたら、「タイルが~」なんて言っていられるだけ幸せって思うはず…と視点を変えてみる?

 

2.ソラ子にとっていいLearning Experienceになる? 別に何も悪いことをしていなくても、不運なことってあるわけで。そういう時に、嘆いたり怒ったり、恨み節を言ったりしていないで、どうこの悲しい=ネガティブな感情と向き合うかを経験するいい機会と考えるようにする?

 

とりあえず、かわいそうなソラ子ちゃんに、トレジョのチョコレートクッキーを買ってあげた。前に「買ってー」とねだられたけど、買ってあげなかったやつ。ソラ子が将来、何か悲しかったり、うまくいかなくって落ち込んだ時に。気持ちを晴らす手段として、「いつもは我慢しているお菓子を特別に買っちゃった!」なんてのも、自分の気持ちをちょっと上向きにする手としてはアリだと思うよ…のために。二人で、あーぁ、なんで私たちのタイルはないんだろうね…と言いながら、クッキー食べるのかな。

 

 

あとは、PTOの人からの返事待ちだようなぁ。

おかーさんだけじゃなくて、ほかの父兄もなんかアクションを起こしてくれるといいんだけどー。

どうなってるんですか?って聞くことはできるけど。

「あれでおしまいです。使われなかった人は運が悪かったですね。私にもどうすることができません」っていう返答が平気で返ってくるのがアメリカだからなー。