一年と少し前から、和裁教室のお仲間に茶道を教えていただいています。


和裁教室内茶道部といったところで、

和裁教室の先生も茶道では生徒さんです。

洋服の方もいらっしゃるのですが、

みなさんが自分で縫った着物を着る茶道教室というのも珍しいのではないでしょうか。


縫った着物が着たいという

若干不純な動機でスタートした茶道でしたが、今では楽しくお稽古しています。




スケジュールの都合で

少し遅い時期に初釜がありました。

「お正月から離れているからな」

と思って、

カジュアルよりの着物を着て行ったら

みなさんはちゃんと金銀糸の入った帯と

それにふさわしい着物で

だいぶ後悔しました。


先生(茶道)は付け下げと袋帯で

さすがの着こなしでした。

(言うまでもありませんが

付け下げは御自身で縫われたもの)


先生(和裁)の帯が素敵で

聞いてみると御自身で刺繍されそうです。



無言になるほど驚きました。

御自身で仕立てたのは想定内どころか当たり前なのですが、「刺繍しました」と返ってくるとは!


人のコミュニティは偏りがずいぶんあるもので、

例えば私は若いころアマチュアオケにいたので

周囲で音楽の話題をするときは

大抵、クラッシックだし、

理系専門職の男社会だったのでガジェットやゲーム、サッカーや格闘技などが話題の中心

でした。



着物を縫って着る。

季節の花を愛でながら薄茶を頂く。

お軸の言葉の故事を調べてみる。


同じ日本という空間に文化圏が違うのではないかというコミュニティが多層的に存在していることはとても興味深いことです。



話しが少しそれましたが、今の和裁のコミュニティは私にとっては新しい経験のための入り口が転がっているのです。


先生(茶道)とは10年も並んで着物を縫っていたのに茶道の師範であることを知りませんでした。

新しい発見や経験は海外でもネットでもなく目の前にあるかもしれませんね。