今、縫っているアンティークな黒い羽織は反物の幅は9寸しかなく、どうやっても裄が足りません。今回は着尺から裁ったので袖に継ぐ布を融通することができました。


羽織や着物の袖は隠れるところがないので布を剥ぐ場合は継ぎがまるっと見える仕上がりに、なります。


なるべく気にならないようにするために割り縫いという縫い方で剥ぎ、縫い目にきせをかけずにコテで割ります。



足りないのは3分だけなのですか足りない分だけだと袖付けやふりと近すぎて邪魔になりそうなので余分に継いで袖口の縫い込みも深くしてます。写真では分かりにくいですね。

裏地の幅も足りないので継ぎましたが、裏地は袖口側に足してます。そうすれば継ぎ目は隠れてしまいます。


織の縞の着物とか模様によってはあまり目立たないかもそれませんが、継ぎ目は見えます。この着尺は極薄なので剥いだ縫い込みまで見えます。



袖の継ぎ目は着てしまうとそんなに気になることはありません(たぶん)。

左肩の調子がいまいちなのと扱いづらいのもあって時間がかかってます。

利き腕は右ですが、左肩がいまいちでも縫い物ははかどりません。生活の中で左腕を挙げることがあっても高いところで維持することはあまりありませんが、縫い物は布を引っ張りながら高さも維持しなければいけません。

しかも微妙な持ち方で生地が緩くもきつくもなる柔らかい生地なので指先まで神経を使います。

なんどかんだと遅れているうちに寒くなってしまいました。
「その羽織は薄いから上にコートが着れるわね。」と先生。

これに長さを合わせてコートを縫うことになりました。着物に合わせて帯、羽織、そしてコート、、、沼は深いです。