脳動脈瘤の治療法(手術法)は大きく分けて二つ、
開頭クリッピング術(動脈瘤をクリップで挟む)と、
脳動脈コイル塞栓術(動脈瘤の中に柔らかい金属コイルを満たし栄養血管からの流れを断つ)
があります。
筆者は、前者を受けました。

経験と資料を参考にまとめたものです。
これ以外のケースもありうることをご了承ください。


同時に行う手術●脳室ドレナージ術(必要時)
時間●約10時間(脳室ドレナージ術も含む)
麻酔●全身麻酔
起こりうる障害等●
 ・脳梗塞、意識障害、麻痺等
 ・手術中の再出血
 ・周囲の神経等を傷つける可能性
 ・全身麻酔の後遺症
事前の承諾事項●
 ・手術同意
 ・麻酔同意
 ・輸血(必要時)同意
 ・身体抑制(必要時)同意
費用●30~40万前後(検査等含まず)


●手順●
1、手術室に入り脱衣、手首固定(万一の微動を嫌う為)、酸素マスクをつける、心電図等モニターをつける
2、点滴から麻酔薬投入、人工呼吸の管を喉から挿入
3、手術開始

※ここからは、資料をもとにした筆者の予想も入ります。
医療関係者の方がいらっしゃいましたら相違点等
ご指摘くだされば幸いです。

必要部分の剃髪
頭蓋骨を3点固定(万一の微動を避けるため、ピンで固定する)
開頭
頭蓋骨を開ける
動脈瘤を露出
クリップ(チタン製)で動脈瘤を挟む
頭蓋骨を戻す
傷口を縫合(ステップル処置?)

4、ドレナージ術
固定を解除

5、手術終了
6、麻酔薬中止、目が覚め意識がはっきりするまでその場で待つ
7、呼吸が安定したら病棟へ


手術室には執刀医師、サポートの医師、手術室の看護師、
麻酔科の医師がいます。
筆者の手術は、ほかの病院からのヘルプ1名と
主治医と医長とで組んで行われました。

長い手術だと途中で交代で休憩をしたりもするそうですが、
この日どうだったかは定かでありません。

いずれにしても長時間、相手にしているものは
壊れやすい「生身の体の大切な箇所」。
とても神経を使う仕事だと思います。

頭を開けて、
麻酔で自力呼吸もできず、人工呼吸の管を頼りに
手術を受けて、
10時間眠った体がまたこうして生きている、ということ自体、
奇跡的です。

筆者は幸い、手術中の大量出血等も起こらず、
輸血も不要で済みました。

ちなみに手術中の体位は、手術室に入って
麻酔を受けるまではあおむけでしたが、
手術中にうつぶせになり、左側を多少上にあげるような感じで、
(右側がつぶれるようなうつ伏せといいますか…)
翌日、右胸や肺のあたりが少し痛かったです。。
しかし、手術後麻酔から覚めた時は、
ちゃんと着衣のままあおむけで臥床だったので、
翌日看護師さんに痛みを訴えてそのことを知るまで、
気づきませんでした。
(痛みは2~3日で消えました)

頭の後ろを開けるわけですから、
うつぶせになるのはごく自然なことです。
これから手術を受ける方は、
長時間ですので、体位による痛み等が残らないよう
事前に相談してみるのも手かもしれません。

*明日から更新が途絶えるかもしれません。
 次回は、順番が前後しますが、脳血管造影検査について、
 そして手術後の流れにまた戻っていく予定です。
 手術は成功しましたが、待ち受けていたのは感染症の影…
 緊張の週は続きました。