身体抑制については、賛否両論あるのかもしれませんが、
安全のためにひつようなものです。

身体抑制とは、意識障害などで、患者が自分の動きを
抑制できない場合に、看護師さんたちが必要に応じて
患者をベッド等に固定させることで、いろいろな危険から
守ることです。

説明書には
 1.ベッドや車椅子からの転落、転倒
 2.点滴や治療のためのチューブを抜いてしまう
 3.自傷・他害・創部汚染・無断離院・無断離棟
 4.その他、目的とした治療に支障を来す場合
とあります。
そして、「あらかじめ説明して、ご承諾をいただいておきたいと存じますが、緊急の場合は事前の了承なく、抑制する場合もありますのでご承知おきください。」とありました。

筆者も説明を受けて返事をしたような気はしますが、
覚えていないので、家族の同意のもとでやったということになります。

筆者の場合、入院当初に抑制を受けたかどうか覚えていませんが、
手術後か、どこかでやった覚えがあるのは、
胴を固定するベルトと、手首を柵に固定するベルトだったと思います。

はっきり覚えているのは、術後、脳室ドレナージの管や、
傷に触れないようにするために、最初は手首固定、
2~3日して、ミトンにかわりました。
ミトンは、5本指全部すっぽり覆う鍋つかみのようなものです。
手首やひじなどの自由は利く代わりに、
手指の動きが使えないので、
両の手で挟んで何かを持つことはできましたが、
細かい作業の必要な場合はミトンをはずしてもらってやっていました。

ちなみにミトンの中の手でナースコールを握っているので、
ナースコールだけはできます。

具体的には、術後ずっと出続ける痰やつばを出すための
ティッシュを、ミトンのついた両の手で挟んでとることは
可能でしたが、丸めて捨てることができないので、
そのままベッド柵にくっつけたビニール袋に捨てていました。
あと、食事ができるようになってからは、食事と、歯磨き
の時だけはミトンをはずしてもらったり、
日中はミトンをはずして、寝るときだけつけたり、
という風にだんだんと抑制も解除されていきました。

それはもう本人も同意の上でなので、
夜「ミトンいいんですか?」とこちらが訊く場面もありました。。

ちなみに、ティッシュをミトンの手で取るのはできても、
上にちょっと出ている時でないとできないので、
何かの拍子にティッシュが箱に埋まってしまうと
取り出せません。。
なので、その時のために、箱の側面をあらかじめ
片方開けておいて、箱を斜めにして出す、
とか、いろいろやっておりました。

あと、ずっと個室だったので、iPodを最大音量にして、
イヤホンから漏れる音でスピーカー代りにしていた
時期もありました。ミトンでホイールは操作できないけど、
Play/Stopくらいを押すのはできました(笑)

苦しいけど、それはそれでなんか楽しかったです(笑)


ちなみに、手術や血管造影検査の時も、
手首を台に固定はしましたが、そういうのも、
「痛い」と言えば少しは緩めてくれます。
同意の上でやっている場合にも、苦しかったり痛ければ
口にしましょう。
周りの人は、本人の感覚はわからないですから。