「つれづれ句日記」

2024/7/3(水曜)

未明には/辺りに漂ふ/霧なりと

靜かにと/朝や晴れては/夏空に

時流れ/立春よりは/五月(いつつき)に

かめ虫も/蠅(はえ)も外へと/放生(ほうじょう)と

夏風に/にいにい蟬も/二匹鳴く

遠くより/鶯(うぐいす)の声/聴こえては

まだまだと/蟬の少なに/時靜か

青き空/梅雨(つゆ)の合ひ間の/晴れの日や

暑き風/窓より入(い)るや/夏風情(なつふぜい)

吹く風に/枝の揺るるに/夏思ふ

確かにと/此処(ここ)に其処(そこ)にと/かめ虫が

口開けて/息をすればと/虫の入(い)り

蟬も鳴く/鶯も鳴く/林には

夏なれば/とりどりの虫/歩く飛ぶ

夏至過ぎて/陽の射す影や/また移り

暑きにも/鶯鳴くに/山へはと

青き空/丸き白きや/雲流る

暑きには/飛ぶを見たりや/玉虫を

玉虫を/見れば夏がと/到来(とうらい)や

ねじ花(捩花)と/言ふや花がと/捻るには

ねじ花(捩花)を/初見(しょけん)や市役所/旧舎前

羊雲(ひつじぐも)/次から次と/来(き)て流れ

玉虫の/強き風にと/煽(あお)られて

暑ければ/更に鳴く蟬/夕べには

すもも(李)をと/曾て植うるも/食はぬまま

すもも(李)がと/多く生(な)るにも/一つさへ

建築家/辰野金吾や/佐賀唐津

晴るるやと/二十六日月も/見るまでも