「つれづれ句日記」

2024/6/8(土曜)

夜の雨/やむも更にと/降ると言ふ

鳥の鳴く/聴かぬ声にと/何(なに)やらと

夢や見る/不思議なるやと/思ふにも

鶯(うぐいす)の/鳴くを聴くには/また悲し

南山(なんざん)も/頂き見えず/雲懸かり

木々揺れて/いづれ雨かと/思ふにも

また近く/鳴けば鳴くほど/鶯は

筍(たけのこ)の/今年も伸ぶや/直立に

空妖(あや)し/吹き入る風の/涼しきに

鳴く声の/前と変はるに/鶯は

雨降ると/思へば昼や/薄日射し

見ればとや/夕方までに/小雨(こさめ)降る

竹伸びて/薙刀鉾(なぎなたぼこ)の/やふに立つ

雨やむや/夕暮れに鳴く/鶯や

高らかに/鶯鳴くに/響くには

何度もと/見慣るる山の/道を見て

山頂に/西の連山(れんざん)/並び見ゆ

薄暗く/更に雨降る/夕暮れや

能登(のと)にてや/御陣乗太鼓(ごじんじょだいこ)/打ち響く

紫陽花(あじさい)と/花菖蒲(はなしょうぶ)咲く/小田原城

神社にと/花手水(はなちょうず)とて/紫陽花を

紫陽花の/品種改良/多様にと

時に乗る/武蔵野線の/景色をと

万世橋(まんせいばし)/廣瀬中佐の/銅像も

あの道か/富士見通りに/富士欠けて

古社(こしゃ)よりの/参道の道/儘(まま)なるに

昔より/漂ふ風情(ふぜい)/古社なると

数へては/三十日と/晦日月(みそかづき)