「つれづれ句日記」

2024/4/25(木曜)

久しきと/晴れて朝日の/輝くを

南山(なんざん)に/朝霧(あさぎり)懸かる/帯なして

野に里(さと)に/きんぽうげ(金鳳花)の花の/咲くにはと

朝に鳴く/鶯(うぐいす)の声/高らかに

木の芽立(きのめだ)ち/きらきらしきや/椿など

昔より/ありし榎(えのき)の/若葉にて

惜しむらく/斯かる榎も/難受けて

今年もと/見ゆる椋(むく)の樹/繁りては

冬にはと/見るに景色も/椋繁り

椋の葉の/更に伸びてや/そよ風に

いつの間(ま)に/錦木(にしきぎ)の若葉/繁りては

陽に照りて/青木(あおき)も若葉/目に滲みて

打ち枯れて/椋の下葉(したば)や/出(い)でぬまま

あれほどの/椿の花も/二つ三(み)つ

蒲公英(たんぽぽ)の/綿毛飛ぶやら/どこまでも

いつ花を/春の野芥子(はるののげし)も/また綿毛

一面に/すずめやからすの/豌豆(えんどう)が

暑きには/蟻(あり)も早くも/餌(え)を運び

夏に向け/蔓(つる)を伸ばすや/藪枯(やぶが)らし

石楠花(しゃくなげ)の/花咲き盛(さか)る/古刹(こさつ)あり

それほどの/石楠花ありとは/知らぬには

近きにも/遠きなるやと/古き寺

雪溶(と)けて/富士の農鳥(のうとり)/現はるに

農鳥の/見ゆるに諸田(もろた)/代搔(しろか)きを

雲あるも/十六夜(いざよい)の月を/また眺む