ブータン王国のワンチュク国王(31)とジェツン・ペマ王妃(21)が帰国の途につかれました
今年10月にご成婚されたばかりのお二人ですが、当時まだ7歳の王妃が17歳国王に対し、
「大きくなったら結婚してください」とお願いしたそうです。
国王は「もし10年後私の気持ちが変わらずにいたら、あなたにプロポーズします」
とおっしゃっていたそうで、もうその時にお二人は運命の出会いを感じていられたのでしょうね
まだ、王妃は女子大生だそうです
そして17日に国王が衆院本会議場で演説をされた模様が
ニコニコニュースに掲載されていました。
感動的な演説内容でしたので、転記させて頂きます
少々長いですが、全文外せないので、是非是非、読まれてみてください。
全文 2011年11月17日(木)15時31分配信
■「皆様は大災害に静かな威厳をもって対処された」
ブータン国王: 天皇皇后両陛下、日本国民と皆さまに深い敬意を表しますとともに
このたび日本国国会で演説する機会を賜りましたことを謹んでお受けします。
衆議院議長閣下、参議院議長閣下、内閣総理大臣閣下、国会議員の皆様、
ご列席の皆様。世界史においてかくも傑出し、重要性を持つ機関である
日本国国会のなかで、私は偉大なる叡智、経験および功績を持つ皆様の前に、
ひとりの若者として立っております。
皆様のお役に立てるようなことを私の口から多くを申しあげられるとは思いません。
それどころか、この歴史的瞬間から多くを得ようとしているのは私のほうです。
このことに対し、感謝いたします。
妻ヅェチェンと私は、結婚のわずか1ヶ月後に日本にお招きいただき、
ご厚情を賜りましたことに心から感謝申しあげます。
ありがとうございます。
これは両国間の長年の友情を支える皆さまの、寛大な精神の表れであり、
特別のおもてなしであると認識しております。
ご列席の皆様、演説を進める前に先代の国王ジグミ・シンゲ・ワンチュク陛下
およびブータン政府およびブータン国民からの皆様への祈りと祝福の言葉を
お伝えしなければなりません。
ブータン国民は常に日本に強い愛着の心を持ち、
何十年ものあいだ偉大な日本の成功を心情的に分かちあってまいりました。
3月の壊滅的な地震と津波のあと、ブータンの至るところで
大勢のブータン人が寺院や僧院を訪れ、日本国民になぐさめと支えを与えようと、
供養のための灯明を捧げつつ、ささやかながらも心のこもった勤めを行うのを目にし、
私は深く心を動かされました。
私自身は押し寄せる津波のニュースをなすすべもなく
見つめていたことをおぼえております。
そのときからずっと、私は愛する人々を失くした家族の痛みと苦しみ、
生活基盤を失った人々、人生が完全に変わってしまった若者たち、
そして大災害から復興しなければならない日本国民に対する
私の深い同情を、直接お伝えできる日を待ち望んでまいりました。
いかなる国の国民も決してこのような苦難を経験すべきではありません。
しかし仮にこのような不幸からより強く、より大きく立ち上がれる国があるとすれば
それは日本と日本国民であります。私はそう確信しています。
皆様が生活を再建し復興に向け歩まれるなかで、
我々ブータン人は皆様とともにあります。
我々の物資的支援はつましいものでしが我々の友情、連帯、思いやりは
心からの真実味のあるものです。
(東日本大震災を受けて国王が100万ドル(約8000万円)の寄付をされました
これはブータンでは3000億円に値する金額でしょうか!)
ご列席の皆様、我々ブータンに暮らす者は常に日本国民を
親愛なる兄弟・姉妹であると考えてまいりました。
両国民を結びつけるものは家族、誠実さ。
そして名誉を守り個人の希望よりも地域社会や国家の望みを優先し、
また自己よりも公益を高く位置づける強い気持ちなどであります。
2011年は両国の国交樹立25周年にあたる特別な年であります。
しかしブータン国民は常に、公式な関係を超えた特別な愛着を
日本に対し抱いてまいりました。
私は若き父とその世代の者が何十年も前から、
日本がアジアを近代化に導くのを誇らしく見ていたのを知っています。
すなわち日本は当時開発途上地域であったアジアに
自信と進むべき道の自覚をもたらし、以降日本のあとについて
世界経済の最先端に躍り出た数々の国々に希望を与えてきました。
日本は過去にも、そして現代もリーダーであり続けます。
このグローバル化した世界において、日本は技術と確信の力、
勤勉さと責任、強固な伝統的価値における模範であり、
これまで以上にリーダーにふさわしいのです。
世界は常に日本のことを大変な名誉と誇り、
そして規律を重んじる国民、
歴史に裏打ちされた誇り高き伝統を持つ国民、
不屈の精神、断固たる決意、
そして秀でることへ願望を持って何事にも取り組む国民。
知行合一、兄弟愛や友人との揺るぎない強さと気丈さを
併せ持つ国民であると認識してまいりました。
これは神話ではなく現実であると謹んで申しあげたいと思います。
それは近年の不幸な経済不況や3月の自然災害への
皆様の対応にも示されています。
皆様、日本および日本国民は素晴らしい資質を示されました。
他の国であれば国家を打ち砕き、無秩序、大混乱、
そして悲嘆をもたらしたであろう事態に、
日本国民の皆様は最悪の状況下でさえ静かな尊厳、
自信、規律、心の強さを持って対処されました。
文化、伝統および価値にしっかりと根付いたこのような卓越した
資質の組み合わせは、我々の現代の世界で見出すことはほぼ不可能です。
すべての国がそうありたいと切望しますが、これは日本人特有の特性であり、
不可分の要素です。
このような価値観や資質が、昨日生まれたものではなく、
何世紀もの歴史から生まれてきたものなのです。
それは数年数十年で失われることはありません。
そうした力を備えた日本には、非常に素晴らしい未来が待っていることでしょう。
この力を通じて日本はあらゆる逆境から繰り返し立ち直り、
世界で最も成功した国のひとつとして地位を築いてきました。
さらに注目に値すべきは、日本がためらうことなく
世界中の人々と自国の成功を常に分かち合ってきたということです。
■「ブータンは小さな国ではありますが強い国でもあります」
ご列席の皆様。私はすべてのブータン人に代わり、心からいまお話をしています。
私は専門家でも学者でもなく日本に深い親愛の情を抱くごく普通の人間に過ぎません。
その私が申しあげたいのは、世界は日本から大きな恩恵を受けるであろうということです。
卓越性や技術革新がなんたるかを体現する日本。
偉大な決断と業績を成し遂げつつも、静かな尊厳と謙虚さとを兼ね備えた日本国民。
他の国々の模範となるこの国から、世界は大きな恩恵を受けるでしょう。
日本がアジアと世界を導き、また世界情勢における日本の存在が、
日本国民の偉大な業績と歴史を反映するにつけ、
ブータンは皆様を応援し支持してまいります。
ブータンは国連安全保障理事会の議席拡大の必要性だけでなく、
日本がそのなかで主導的な役割を果たさなければならないと確信しております。
日本はブータンの全面的な約束と支持を得ております。
ご列席の皆様、ブータンは人口約70万人の小さなヒマラヤの国です。
国の魅力的な外形的特徴と、豊かで人の心をとらえて離さない歴史が、
ブータン人の人格や性質を形作っています。
ブータンは美しい国であり、面積が小さいながらも国土全体に拡がる
さまざまな異なる地形に数々の寺院、僧院、城砦が点在し
何世代ものブータン人の精神性を反映しています。
手付かずの自然が残されており、我々の文化と伝統は今も強靭に活気を保っています。
ブータン人は何世紀も続けてきたように人々のあいだに
深い調和の精神を持ち、質素で謙虚な生活を続けています。
今日のめまぐるしく変化する世界において、国民が何よりも調和を重んじる社会、
若者が優れた才能、勇気や品位を持ち先祖の価値観によって導かれる社会。
そうした思いやりのある社会で生きている我々のあり方を、
私は最も誇りに思います。
我が国は有能な若きブータン人の手のなかに委ねられています。
我々は歴史ある価値観を持つ若々しい現代的な国民です。
小さな美しい国ではありますが、強い国でもあります。
それゆえブータンの成長と開発における日本の役割は大変特別なものです。
我々が独自の願望を満たすべく努力するなかで、
日本からは貴重な援助や支援だけでなく力強い励ましをいただいてきました。
ブータン国民の寛大さ、両国民のあいだを結ぶより次元の高い大きな自然の絆。
言葉には言い表せない非常に深い精神的な絆によって
ブータンは常に日本の友人であり続けます。
日本はかねてよりブータンの最も重大な開発パートナーのひとつです。
それゆえに日本政府、およびブータンで暮らし、我々とともに働いてきてくれた日本人の方々の、
ブータン国民のゆるぎない支援と善意に対し、感謝の意を伝えることができて大変嬉しく思います。
私はここに、両国民のあいだの絆をより強め深めるために不断の努力を行うことを誓います。
改めてここで、ブータン国民からの祈りと祝福をお伝えします。
ご列席の皆様。簡単ではありますが、(英語ではなく)ゾンカ語、国の言葉でお話したいと思います。
ご列席の皆様。いま私は祈りを捧げました。小さな祈りですけれど、
日本そして日本国民が常に平和と安定、調和を経験し
そしてこれからも繁栄を享受されますようにという祈りです。
ありがとうございました。
更に、東日本大震災の被災地福島県相馬市と小学校(上は福島県相馬市の桜丘小学校)を
見舞われたブータン国王夫妻の映像を見て、私は感動で涙しました。
被害にあわれ亡くなられた方々、復興の願いに祈りを捧げられました。
ブータンでナンバーツーの僧侶も同行されました
被災地訪問先を福島県相馬市に決められた経緯については、
9月にブータン王国のティンレイ首相が相馬市桜丘小学校を9月に訪問され、
ブータン国内でも東北が被災した様子が報道された事で
原発事故による懸念が広がって、これらの風評被害をなくすために、
原発近くの被災地訪問を強く希望されたのだそうです。
国王のお言葉
「ブータン国民を代表し、皆さんを励まし親愛の情を表すために来ました」
国王が小学生にされた「龍のお話」
皆さんは龍を見たことがありますか?
私はあります
皆さんそれぞれの中に龍はいます
龍は『経験』を食べて大きくなります
年をおうごとに龍は大きくなるのです
皆さん、自分の中の龍を大切にしてください
自分をコントロールする力、人を思いやる、夢を持つ事が大切だと説いおられます
素晴らしいお言葉ですね