フレンズ(裏コイバナ)Ⅶ゚・:,。☆
・・・つづきです。
私もエリも時間に余裕が少し出来たが、
相変わらず空いた時間があると、肩を寄せ合い寝ていた。
この頃になると、ちゃっかりユカが真ん中に入っていて、
私達はユカの肩に頭を乗せて、
彼女の両脇から彼女と腕を絡ませて寝ていた。
ユカは満足そうに、一緒に寝てたり、本を読んでいたりしていた。
周りから見たら異様な光景だろうが、私達は気にしなかった。
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バイトは順調だった。嬢達はみんな仲が良かったから。
六本木などの一流店とは違い。
それほどあくせくしてないからだろうか?
レギュラーが少なく、女子大生のバイトが多いせいかもしれない。
ただ、1人だけ和を乱すような、自分勝手な嬢がいた。
でも彼女はナンバー入りだし、店も大目に見ていた。
私は、同伴とアフターはNGにしていたけど、指名客の1人が
かなり執拗に同伴を迫ってきた。
普通なら嬢の方から同伴おねだり。ってところだし、とっても
ありがたい話なのだが、 大学があるから、と断っていた。
考えられない同伴のお断りだが、私がバイトする条件でもあった。
が、彼はこのところ気前良くお金を使い、遊び方も知っていた。
それに、とても紳士的だし、私は嫌いではなかった。
私にとってもお店にとっても、太い客になりつつあったのだ。
これ以上断り切れなくなっていた。
OKすると、彼はすぐに何がいい?和食でいいか?と聞いてきた。
おまかせします。と答えた。
当日、銀座の有名だと言う料理屋に連れて行ってもらったが、
二度とこられないだろう、と思った。
彼は、仕事のことは滅多に話さなかったが、ちょっとした話の
内容から、40半ばの経営者らしい。
何人か連れてくることもあったけど、1人のことが多かった。
彼は、なぜかお店が気に入ってしまった、特に君は素晴らしい。
と私をおだてた。
彼の話は学があり、面白かったが、私は早くこの時間が過ぎて、
店に行く時間にならないかと、そればかり考えていた。
突然、彼が切り出した。簡単に言うと私を買うという話だ。
聞き返すことが出来ないほどびっくりした。
囲うのではない、1日でいいと言った。
その額は、1ヶ月お店で稼ぐ位の額だった。もう少し言うと、
ファーストフードで、結構今月はバイトしたなぁ~と思う月の
3倍位の額だ。
嫌だった。私に限らず多くの女性は嫌だろう。
額がどうのではない。愛がどうのこうのキレイ事でもない。
とにかく、物のような扱いが嫌なのだ。・・・本来なら。
でも、なさけない事に一瞬私は考えてしまった。
「1日我慢すればいい。手っ取り早くイカせてしまえばいい。
終わらせてしまえばお金が残る」
私の中の悪魔が囁く。なぜか悪魔ばかりが囁く。
次の瞬間、浮かんだのはアカネだった。
アカネのピュアな顔が浮かんだ。
アカネは純情無垢である分、少し垢抜けない面があった。
それも彼女の良い点だし、可愛さでもあるのだが、
彼女は悩んでいた。
『どうして私は、ジュリやエリみたいにならないの。教えてよ。
一度ジュリになりたい』
例え思い違いであれ、ピュアな子でしか言えないような
ストレートなアカネの言葉だ。
『バカね、私はそんな純なハートのアカネになりたいわ』
私の言葉は、気休め言わないでよ。と言われてしまった。
思い違いでも、勘違いでも、アカネは私になりたいと言ってくれた。
アカネがなりたい女が、こんな女ではさすがに申し訳ないと思った。
私が踏みとどまったのは、そんな天使の些細な言葉だった。
このことで私は逆に、本当の愛が欲しいと思っている自分に気づいた。
・・・と同時に、心まで動かされそうになるお金の怖さも知った。
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断ったが、彼は納得した。しかし、指名替えするかもしれない。
いや、もうお店に来ないかもしれない。
もう、ここにいられないかなぁ。と思った。
エリの声が聞きたい。思い切って電話してみた。
ジュ 『エリ。まだバイト、お店?今大丈夫?』
エリ 『休憩中。タイミングいいね』
ジュ 『引越し手伝えなくてゴメンネ』
エリ 『ふふふっ、それ、昼間聞いたよ。どうしたの?』
ジュ 『そっか。ねぇ、部屋片付いてないでしょ?
手伝う。行っていい?』
エリ 『もちろんいいわよぉ~』
ジュ 『いつ?』
エリ 『・・・明日大学で話そっ。変よジュリ。大丈夫?』
ジュ 『うん・・・大丈夫』
・・・つづく。