恋バナ☆ずっと②前から好きでした。(12-27)
・・・つづきです。
懐かしい翔が近づいてくる。
と、彼は私との距離5m位のところで止まってしまった。
彼は笑っている。
7ヶ月前、私達はここで抱き合うはずだった。
私の思惑は見事に崩れた。というか、自分で崩してしまった。
携帯を持ったまま、見つめ合う二人。
翔の安いドラマのような演出に私は笑ってしまった。
「ふふふっ、止まるかなぁ?普通そこで!」
「魔法に掛かって動けなくなった・・・くっくっくっ!携帯は切ろうなっ」
「あぁ~、もう信じられない!・・・おかえりなさい」
「ただいま」
安いドラマのようなシーンも終わり、私達はリムジンバスで新宿に
向かった。
「手紙は読んですぐやぶいてしまった。ごめん」
「えっ?・・・」
彼の性格からいって、その場でやぶくなんて相当な怒りだ。
彼のおふざけで少し緩んだ気持ちが、また一気に緊張した。
「後悔したよ。せっかくジュリが書いたのに」
「・・・い、いいの!それでよかったの。ごめんなさい」
「・・・俺、何て言ったかな?出発する時」
「えっ?・・・帰ったら二人で海に行こうな。って」
「そうも言ったけど、帰ったら返事を聞かせてくれ。って言ったよね」
「うん、だからその手紙に・・・」
「また、保留ってことかぁ~」
「えぇ~?いやぁ~、だから・・・」
「なあ、ジュリ。俺も相手が普通の男だったら・・・って思う。俺が魔法を
解ければいいのだろうが、手紙の内容を見ると今のところ無理みたいだ」
「・・・・・・」
「出来れば、相手に会って、ちょっと惨めだけどやめてくれって、
魔法を解いてジュリを自由にしてくれって言いたい」
「・・・やめて・・・」
「だよな」
「・・・翔にそんなことさせられない。してほしくない。」
「いろいろ言いたいことがあったけど、ジュリの顔を見たら忘れたよ」
「私も・・・」
「待つよ、いつまでも。あぁ~あ、俺はまた7ヶ月前と同じ事言ってるな」
「ごめんなさい。嬉しい本当に嬉しい。でも・・・辛い」
「ジュリが結婚するまであきらめない。苦労してあきらめなかった
甲斐があった。というようになる気がする。自信があるよ」
「・・・一つ聞いていい?あの夜から私達が付き合っていても、シドニー
に行った?」
「シドニー行きは、あの夜があったから、俺が強引に割り込んだ。
付き合っていたら、強引に上司に頼んだりはしなかったよ。」
翔と付き合っていて、彼が日本にいたら、私はあの合コンには行ってい
なかっただろう。
Ⅹ氏と出会ったのは偶然の気がするが、確かに翔と出会ったのは偶然
ではない気がする。
でも、本当にそうなのだろうか。
この日私は、翔とどうなってもいいと思っていた。いやむしろ、翔に
私をめちゃくちゃにしてほしかった。
でも、そんなことをする人じゃない。わかっている。
軽く食事をして、帰った。
その日から、翔はたびたび電話をくれたが、仕事が忙しくなったのか、
連絡も少なくなった。
Ⅹ氏も仕事が忙しいようで、しばらく逢っていなかったが、久々に逢う
約束をした。このころから、彼も彼なりに悩んでいた。
・・・つづく。