赤いフュージョンの女18
・・・つづきです。
サヨネエが快楽の渦の中にいる時に、私は別の事を考えていた。
(彼女はこの関係を今日で終わらせようとしている)と。
あっ?(これからはお友達でいましょう)
そんな生やさしいものではないかもしれない。
鉄の意志の女だ。中途半端なはずがない。
明日、私は別れを告げられる?
寒気とも激情ともとれるふるえが襲った。
理由はおそらく・・・自分の存在が、私のこれからの恋愛の人生に於いて
妨げになると考えているからだ。
思い当たるふしがある。以前私は男友達の事で彼女に相談した事がある。
私は友達だと思っていた男性から交際を申し込まれていた。相談は軽い
気持ちだった。彼女はいろいろ意見を言ってくれたが、どんな気持ちだっ
ただろう。
それが原因の全てではないだろうが、私はまた自分の思慮のなさから
彼女を苦しめていたのだ。本当に情けなくなる。
「あん、ジュリ!気持ちいいわ、もっときて、キスして!」
「うん、いっぱい気持ちよくなってね。もっともっと気持ちよくなってネ」
やはり凛とした所がない。おそらく彼女の脳もパニック状態なのでは
ないだろうか。私はサヨネエの好きな騎乗位にさせようと思った。
「さあ!上になって!離れずに出来るかしら?」
「えぇ~っ、無理よ」
「離れたくないんでしょう。さっきは私にやらせたわよ」
「離れたくない!ジュリに溶け込みたいわ。あっ、あぁ~ん。ちょっと、
腰うごかさないでよ。あっ、あっ!いい!ジュリ、すご~い!」
私はサヨネエのお尻に手を添えて、下から突き上げた。彼女の長い髪
が揺れ、身体も揺れた。私は彼女と両手をつないだ。
「あぁ~ん、ダメ~。イキそう!ジュリ、もうイキそう!」
「いいよ!サヨネエ、いっぱいイッて!」
「あっ、ダメ!イク~
」
サヨネエの身体がグラインドして私の身体に覆いかぶさった。しばらくは
自分の体重を支えていた腕も力が抜け、私に彼女の重みがかかった。
心地よい重みだった。
サヨネエの身体が少しズレて、ふたりの左胸同士が合う形になった。
それが気持ちよくて、私の意識はそこに集中した。やがてそれは絡み合
ったふたりの左足に移った。
私は彼女の髪を撫で、腕の中にある彼女の耳、頬に触れた・・・、
サヨネエは泣いていた。
全てが分かったような気がした。さっきまで仮定だった考えは確信に
変わった。この旅行の今までの行程も違ってみえた。
私はこの旅行はただサヨネエにくっついて、お供しているようなつもりで
いた。でもサヨネエは常に私に気を留めて、注意してみてくれていたのだ。
私がソフトクリームを買うため一人になった時も、電話をしながら私を見て
いたのだ。高速での彼女の凛としたライディングも今ではマラソン選手
を安全に先導する白バイのように思える。ドキドキしながら入ったラブホ
が遠い昔のように思えた。
私の涙も止まらなくなった。
この人を失いたくない!絶対にいやだ。たとえこの関係が無理でも、友達
でいたい。今、この思いをぶつけたいが彼女の望みはこの旅行をふたりで
楽しく過ごす事。最後の最後で言うはずだ。
サヨネエも今、悔やんでいるだろう。(あたしとしたことが、こんなに心乱して
しまって、ジュリに気付かれてしまったかも)って。
たぶん、明日起きたらいつものサヨネエに戻っている。ふたりで楽しくゴル
フをするだろう。そして私は赤いフュージョンに先導されて・・・
どこかで別れを告げられる。 抱き合いながら私は・・・
「サヨネエ!サヨコさん!」
「ふふっ、なぁに?ジュリアさん!」
「・・・愛してる。とっても!」
「・・・あたしもよ。とっても愛してる!」
「明日、楽しみだなゴルフ!」
「そうね。ねえジュリ!明日は外環道使って、ジュリの所経由で帰りましょう」
「え~っ、何でよ。時間と高速代がもったいないでしょう。それにサヨネエが遅
くなるでしょう。明後日、朝早くから用事があるって言ってたじゃない。久喜イ
ンターで降りて、サヨネエ経由で帰る」
「でも~。」
「ダメ!久喜で降りるわよ」
「わかったわよ~」
おそらくサヨネエは、別れを告げた後の、私の心の動揺を気にしてる。
落ち込んだ私を、1人で30キロもバイクに乗せるのは、危険だし可哀想だと
思っているに違いない。そうはさせるか!
シャワーをふたりで浴びて、私達は抱き合いながら寝た。
・・・つづく。
