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Juliwolfmunのブログ

腐女子じゃなく主腐じゃないかと自負するもののブログです。
ここのサイトの作品は、二次創作であって、出版社様・原作者様とは全くもって関係がございません。

ここコスタ・デ・ソルは一年中過ごしやすい気候に恵まれ、その昔裕福層がこぞって別荘を所有していた。
勿論、あの悪名高き神羅も保養所を設立していた。

その一角に、ひっそりと佇む小さな別荘が一軒建っていた。どこかの社長が所有していた物件だが、身内もいなかったため亡くなった後、格安でシルビア達有志で共同で購入したものだった。
そこの一番日当たりの良さそうな部屋にクラウドは暮らしていた。

あのザックスと共に暮らしていたスラムの安アパートからここに引っ越して来てから、クラウドの魔晄中毒の方も一進一退ながら良くなってきていた。
眼を動かして意思表示する事しか出来なかったクラウドが、今は頭を動かして返事が出来る。言葉の方はまだまだだが薄っすらと笑顔を浮かべる事も出来る様になった。
その笑顔はまるで天使の様で、ヘルパー達が見かけるたびに大騒ぎしている光景は、もう日常茶飯事だった。


その日陽だまりが交差するその部屋を訪れたシルビアが目にしたのも、その天使の笑顔だった。

「クラウド、体調良さそうだな。」
クラウドは首を縦に小さく振って返事を返す。
シルビアは、そばにあった椅子をベッドサイドに持ってきて座り、クラウドに簡単な診察をし、白い手を握りしめた。

「君がここにやってきてから、もう…3年になるな?どう?少し外に出てみないか?」
驚きに目を見開いたクラウドに、シルビアは優しく微笑み返して言った。
「勿論一人じゃまだ無理だから、私の付き添い付きだけどね?」
コクんと小さくうなづいたクラウドの着替えを担当のヘルパーに頼み、シルビアは準備の為に部屋を後にした。


***

照り返す程の暑さもなく、穏やかな微風が吹いている散歩にはもってこいの気候の中、クラウドは乗った車椅子をシルビアに押されて、海が見渡せる丘に来ていた。

「クラウド…あれから3年たってようやく神羅はお前達を諦めた様だ。」

日差しが眩しいのか、目を細めて遠くを見つめていたクラウドの身体がピクリと動いた。

「そろそろ自立を考えて行かないといけない時期に来た。食事は少しずつ自分で取れるんだよな?」
「少しずつリハビリ始めて行こう。私も、向こうの診療所をしばらく他の医師に任せてきたから、君に付き合うことが出来る。」

おずおずと申し訳なさげに顔を上げたクラウドに
「そんなに困った顔しないでよ。私がやりたくてやってるんだ。それとも迷惑…だった?」
ブンブンと勢い良く首を横に振ったクラウドにシルビアは思いっきり笑った。

「ありがとう…。私も君に出会って引きずっていたものから解放された気がするよ。」
「と、なれば計画立てないとね?」
そういうと、嬉しそうにクラウドが微笑み返してきた。
が、すぐその笑顔も消え何か聞きたげに見上げてきた。

「ん?どうした?寒い?」
違うらしい。口を小さく開き何かを言いたげだった。
「…ザ…」

すぐに何を聞きたいのか理解した。スラムで暮らしているザックスの事が気になるんだろう。
さて、どうやって説明すべきだろうか?
ザックス…元気にはやっているらしい。たまに自分の元にクラウドの現況を聞きにやってくる。しかし、その隣にはいつもあのセトラの娘がいるのだ。
一時期は荒れていたザックスが、落ち着いて生活出来ているのはこの娘の力なのはあきらかだけど…。
調査員に聞くところによると、ザックスは二人で暮らしていたあのアパートを引き払ったらしい。
最近はもっぱらあの娘のいる教会で寝泊まりしていると聞いている。
まだクラウドを向こうに戻す段階ではないけど、その時彼はどうする心算なのだろうか?
私を訪ねてくる回数も、週一が月一になり、最近では数ヶ月に一度ぐらいの間隔になってきている。

少しずつ自分の生活を積み重ねてきているザックスに、今のクラウドを会わせて良いものなのだろうか?

思案中の私の顔を、不思議そうに見上げてくるクラウドに、
「ザックスは元気にやってるよ。会いたいか?クラウド」

そう聞くと、パッと明るい表情を見せたかと思ったら瞬間に俯いて、小さく本当に小さく横に首を振った。

「ザッ…には…あ…ない。め…わく…かけ…ない…ら」

自分の思いを押し殺してまで、彼の幸せを祈るクラウドに堪らなくなり、私は車椅子ごと強く抱きしめた。

「せ…せい?」
「クラウドは何も心配しなくていい。君は自分の身体を治すことだけ考えて?後は私がなんとかするから。」
「さあ、少し長居しちゃったね。部屋に戻ろう?そして明日からのリハビリの計画立てなきゃね?」

そういって笑いかければ、例の笑顔でニッコリと答えてくれた。

この日見たコスタの海は、まるでこの若い二人の未来をも包み込むような、穏やかで広く大きな母の様な雰囲気を醸し出していた。
これから、二人にはいろんなことが起きるのだろう。二人は乗り越えていけるのだろうか?
私には少しの手助けはできても、それは見守るしかないのは判っているが、悔しさが心に積もりやるせない気持ちで部屋に戻っていった。


2014/03/17
2014/05/01 推敲

随分と間が開いてしまいました。
えっと、前回はエアリス編でようやく今回はクラウドsideに戻ってこれました。
私の書くお話はどうもシリアスなものが多くて、自分ではHappyEndにしたいと思っているのですが、これがなかなかw

前回お話ししたとおり、エアリス編から数年後(多分3年後ぐらい)のお話です。ザックラ至上主義なんで二人を無事くっつけたいのですが、くっつくかなぁ?w