Ring of promise 25 ザックスside | Juliwolfmunのブログ

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ザックスside

黒服の気配が完全に消え去って、ようやく口に当てた手を離してもらえた。
あと少しかかったら完全に窒息していた。俺はむせかえる呼吸を整えつつこの部屋に引きずり込んだ奴に向かって行った。
「こんのぉー!」
「ちょっと待った!!」
その女は、今にも飛びかからんとしていた俺を簡単にいなし、俺の攻撃は空を切った。
「ったく、何て野蛮なの?」
「はあ?野蛮だ?どの口がそんな事言ってるんだ?こんなひと気のない所に人を押し込んでおいて。って…女?!」

落ち着いて相手をみると
多分、普段そういう服は着ないのだろう、どう見ても着せられている感がありありなドレスに身を包んだ、年の功はまだ10代くらいの女が立っていた。
「女だったらなんだっていうのよ?あなた、まさか女性蔑視思考の持ち主なの?」
「いや、俺はどんな女性にも優しいので評判の男だよ。」
マッドは、相手が女性とわかったからか軽口を叩き出した。

「まあいいわ。あなたがどんな男だろうと私には関係ないものね。それより、任務を遂行しないと。あなたに伝えたい事があるの。」
マッドは、転倒したとき一丁来のタキシードについた汚れを払い落としながら、その女の側によって行った。

「なに?伝えたい事って。」
「あなた、結婚するの?」
言葉を濁すでもなくストレートな物言いに、少し戸惑いながら記憶の扉をまた一つ開いていった。

「あんた、タークスっていったな?」
「私の質問に答えて。」
「ああ、悪りぃ。そうさ、俺はここのお嬢さんと結婚するつもりだよ。今日のパーティはそれのお披露目会だと聞いた。」
「それって、あなたが自分で出した結論なの?それともーーカーターに何かを吹き込まれた?」
「はあ?」
「例えば…大切な人を神羅に売り渡すーーとか。」
「…い、いやそんな事ねえよ。これは俺が自分で決めた事だ。俺は…前から子どもが欲しかったんだ。」
「ふぅん、そういう事なのね…わかったわ。」
「そういう事。」
「もういいわ。引き止めてごめんなさいね。」
俺は、あっさりと解放された事に多少疑問を持ちながら、最初の目的であるカーターを探す為に部屋を出ようと扉のノブを握った時、彼女が言った事に衝撃を受けた。

「あっそうそう、今、神羅は事業を縮小して事業内容を変更したから研究部門はなくなったの。研究員も殆どが前の災害でなくなっちゃって、残った人も別の研究所に移って違う研究をしているの。だからソルジャーの細胞組織の情報など必要ないのよ。」
「あなたには関係ないことだったわね。失礼。」

そう言ってタークスの女は、出ようとしていた俺を追い抜き、部屋から出て行った。
「なんだ…って?すでに神羅はソルジャーの研究を行ってい…ないだと?」
「じゃあ…俺は一体なんの為に?俺は…嵌められたのか?」

自分が良かれと思って起こした行動が、実は大きな間違いだったと気がついた俺は、失ったものの大きさを思い知り廊下に出た。
カーターを探す為にふらつく足を叱咤し歩いていると、そこらから「おめでとうございます。マッド様。」
と祝福の言葉をかけられ、ますますこの事実から逃れられないことを思い知るのだった。


2013/5/5

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