Their intentions
ーそれぞれの思惑ー 15 *シリアス
血盟城の執務室に、いわゆる魔王派に区別されるだろう面々が集まっていた。
フォンヴォルテール卿とその部下達、フォンカーベルニコフ卿、ドリアを筆頭に待女執事達
任務帰りのグリエ・ヨザック・ウェラー卿の部下達の人間と魔族のハーフの兵士達
養父の行動に疑問を抱いているギーゼラ
そして自分の息子達がまたも別々になってしまい混乱している上王陛下。
そして大賢者村田。
グウェンダルが皆を前に話し始めた。
「もう皆も知っての通り、眞王陛下がご乱心なされた。かつては始祖と呼ばれ崇められていたお方だ。彼の言葉も無碍に出来ない。」
ゴクリと飲み込む音が聞こえそうなぐら静寂につつまれる部屋で、彼の重低音の声が響き渡った。
「そこでだ。ここでもう一度皆に問いたいと思う。現在この場にいる者でユーリ陛下に忠誠を誓えないというものは、すぐにでもこの場から立ち去れ!いいな?」
その場を見渡すと、誰もが微動だにしている様子はなかった。
村田はホッと胸をなで下ろした。
「じゃあ、ここにいる者には今後もユーリ陛下に忠誠を誓う者しかいないと認識して、話を進めるよ?」
「今、眞魔国には4000年前に眞王が創主を封じ込めた箱が2つ戻ってきている。」
話を聞いている皆がざわめき始めた。
それを諌めるかの様に、大賢者が続きを話す。
「皆さん、落ちついて!箱だけだったらさほど危険じゃないから。」
「それでだ。箱には安置すべさ適した場所というものかあるらしい。」
「少し前に眞王陛下と一部の者が、箱を異なった場所に隠してしまったのだ。そして、その事を手がかりに眞王陛下を再び玉座につけようと画策している事がわかった。」
アニシナが声を荒げた。
「一部の者とは誰なのです!我々は魔王陛下に忠誠を誓ったのです。…確かに眞王陛下は偉大な方です。が、何千年も前にとうに亡くなった方です。あなた方は、幽霊に忠誠を誓うつもりですか!」
こういう時は、アニシナの竹を割った性格は賞賛に値する。
「そうだね、彼はとうの昔に死んでいるはずだった。フォンカーベルニコフ卿、あの肉体は君のチ魔勤装置だね?」
急に話を振られたアニシナは、ばっの悪い韻をして、返事をした。
「確かに私の作ったものです。」
「あ肉体の持続時間はどれくらいなんだい?」
「そうですね、眞王廟では魔力が永久に補充できるので魔勤装置が壊れるまで使えます。眞王廟から離れると、せいぜい30分が限度でしよう。」
村田は、ある結論を導き出した。
「その30分が勝負だね。僕たちが馬鹿正直に眞王に勝負を挑んでも、まず勝てない。ああみえても彼はこの世界を創主から救った男だからね。」
「ああ、そうだな」
「とりあえず、作戦を練ろう。」
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2012/2/16