食事をとっていたマリーンが、ふと思い立ったように話し出した。
「陛下といえば、今度こっちの方までご視察にいらっしゃるそうよ。ねぇ智也。貴方が作ったパンを陛下に食べていただけるといいわねぇ。陛下も故郷の懐かしい味にお喜ばれるんじゃないかしら?」
「そうだな。食べていただけるといいな。しかし、久しぶりだよな、陛下のご視察。」
「そうね、あの噂が流れてから殆どお城に閉じこまれていらっしゃったみたいだし」
ヴォルフラムは、会話に出てきたユーリの近況に疑問を持ち怪しまれないようにかつ平然を装って聞いてみた。
「閉じこまっているって?その前に噂ってなんだ?」
マリーンは、外で聞いてきたのだろう噂話を楽しそうに話し出した。
「あのね、何だか護衛をお召しつかっていたウェラー卿が解任を申し出たって話よ。弟君のフォンビーレフェルト卿がご自分の領地からいなくなられたそうで、それに関して意見の相違があったって。」
「それに伴い、フォンヴォルテール卿もユーリ陛下に反旗をひるがしたって…」
「私の姉がお城で御使いしているんだけどね、今、ユーリ陛下…信頼している人達がみんな離れて行っちゃって、凄く孤独だって。
ウェラー卿なんか、陛下にお目掛けされて護衛の立場にお戻りになったのに、また造反した形だから酷いって話していたわ。」
僕はマリーンの言っていることが信じられなかった。あのコンラートが造反?兄上まで?じゃあ今ユーリの元にいるのは??
僕はマリーンに食らいつくように問いただした。
「王佐のギ、フォンクライスト卿は?まさか彼まで?」
僕の剣幕に押されたのか、マリーンは怯えて智也にすがった。代わりに智也が答えた。
「フォンクライスト卿は…大丈夫だろう?あの熱烈(ゾッコンラブ)陛下親衛隊隊長までだとすると大変だ。臣下が造反って、ユーリ陛下も思ったほどの人物じゃないのかもな。」
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2011/11/10 juliwolfmun