とある日の帰り道。

 

用事を済ませて、バスで帰ることにした。

バス停にはすでに二人が待っていて、

先頭にいた人は、ご近所さんだった。

次発のバスは中乗り。

私は前まで行かず、中乗りのあたりで待った。

やがてバスが来て、ドアが開いたら、

前の方で待っていたお二人が移動してきて、乗った。

ご近所さんが乗るときに、私に気づいたようで、会釈した。

 

車内でぺちゃくちゃ喋るのはイヤだったので、

私は離れた席に座った。

このご近所さん、知り合いと会うと、

車内が混んでいようが、空いていようが、

ずっとお話ししているのをよく見かける。

 

降りるバス停も、歩く方向も同じなので、

降りてからは、どうしても話をすることになる。

 

「痩せた?」と覗き込まれ、

いいえ、と答えても、

「なんか痩せたみたい」と譲らない。

腕や足首が細い、と指摘し、

何度も痩せたでしょ、と言うので、

ありがとうございます、と答え、

見えないところが、どっしりしているのでご心配なく、と話した。

 

家に帰って、ダンナに話したら、

(私が痩せたか?に関して)「気のせいです」とキッパリ。

そして、

「そういえば思い込みは直りました?って聞いた?」というが

そんなこと聞かないよ、ふつう。

できないことを、平気で言うダンナには腹立つ。

 

5月の自治会の公園清掃の終わり、

参加票に名前を書かなかったのに、書いたと言い張って、

名前を書いた参加者だけに配られる飲み物と花の苗を持っていった人。

仕方ないので、私たちの分を充てて、済ませた。

 

さらに思い出したことがあって、

20数年前の公園清掃の時、

そのご近所さんが、私に話した内容が・・・。

 

「ご近所に住んでいるご主人が、

脳梗塞後のリハビリを頑張って回復されて・・・

だから、あなたも頑張りなさいよ」みたいな話を

他の知り合いにしたのだと、私に話した。

 

そのご主人というのは、うちのダンナのことで、

その後どうなの?みたいに話しかけられたので、

「違いますよ。リハビリはリハビリだけど、脳梗塞じゃなくて、

うちのダンナのは、両足のアキレス腱断裂でした」と答えた。

 

うちのダンナは、両足のアキレス腱断裂で、入院した。

ふつうは片方ずつで、松葉杖での通院で済むそうだが、

両足同時に、というのは珍しいと、

診てくれた病院でも驚かれたほど。

 

退院後、リハビリで近所を歩くのに、

私も一緒についていただけだ。

 

杖をついて歩いていたからか、

勝手に脳梗塞のリハビリだと思い込んで、

まわりに話したというから、今思い出しても笑っちゃう。

 

それにしても思い込みはオソロシイ。

密かに自分だけで思っているなら問題ないけれど、

思い込んでまわりを巻き込むとなると、迷惑な話だ。