かなり盛り上がってた私の気持ちを一気に
覚ましてくれる事件が起こった。
「私、山口先輩に告られちゃったんだよね~。」
優が言った。
日曜の午後、優の家でお茶してた時だった。
あの日の夜のことだ!
私はふと思い出した。
いつも通り、夜の学習の為に私たちは学校に
集まっていた。
7時から9時までの2時間あるのだが、
8時から10分間だけ休み時間がある。
その休み時間に山口先輩が私たちの教室の前の
廊下のあたりでうろうろしていた。
いつもなら10分程度の休み時間、教室で世間話して
終了~な感じなんだけど、優がトイレ行きたいと言ったので、
私も一緒に行くことにしたのだった。
教室でてすぐに山口先輩と目が会っちゃったので、
軽く会釈してトイレに行った。
そのまま教室に戻ろうとしたら、山口先輩と先輩と
仲の良い及川先輩がこっちに向かって歩いてきてた。
別に私たちに用事があるわけではないだろうと
思ってたら、すれ違いざまに二人が、
「わっ!!」
なんて脅かすもんだから、優と私はビックリして
走りはじめた。
そしたら、及川先輩が私を追っかけてくるので、
思いっきり走り回ってた。
おかげで及川先輩とは仲良くなれたけど、
いつの間にか優が見えなくなってた。
もうすぐ授業始まるし、まぁいっか。
と思って、私は教室に戻ったのだった。
あれは、山口先輩と及川先輩が計画した作戦だったのだ。
いつも優と私が一緒にいるもんだから、
私を撒く為に、及川先輩が協力したってわけ。
優に事情を聞くとやっぱりそうだった。
あの日の夜に告白されたのだそうだ。
そう考えれば全て理解できる。
山口先輩がやけに私にやさしかったのは、
私が好きだったわけではなく、私が優の友達だったからだ。
ばかばかしい。と思ったと同時に、
ちょっと優に嫉妬してしまった。
優には既に彼氏がいたのだ。
入学して比較的早いうちに告白されて付き合いはじめた。
優の彼氏は山口先輩とタメの中学3年生。
山口先輩は優に彼がいることを知っていた上で、
告白したのだった。
なんて贅沢な子なんだろう。
確かに優はキレイだし、性格もいいからモテるのも
分かるけど、そんなにあからさまに見せ付けられると
腹が立つ。
「いいなぁ。優は。モテモテじゃん!!」
「私が好きなのは、今の彼なんだし。関係ないよ。
樹里だって、好きでもない人に告白されても、
何ともないでしょ?」
「そりゃそうだけど。私の事なんて好きになって
くれる人なんていないよ~。」
「樹里の事、本当に好きになってくれる人が
見つかるよ!!」
「そうかなぁ・・・。」
私も誰かと付き合ってみたいなぁ。
その時は、深く考えてなかったけど、当時の私は
恋に恋してたのだった。
優の話を聞いて、
山口先輩への気持ちはすぐに覚めてしまった。
本気で好きになれる人を探そっと♪
当時の私はそう思ったのでした。