私だって理由もなく、通学生とばっかり仲良くしてたわけ
ではない。
寮生はどちらかというと競い合いが激しかったのだ。
まぁ地方からわざわざ佐々丘に入学するだけあって、
頭が良かったわけだが、
「何でも自分が一番じゃなきゃ気がすまない」
って感じだった。
ちょっとでも私が良い成績を取ったりしたら、
目の敵にするような陰険な子が多く、
寮での生活もギクシャクしていた。
一方、通学生は地元の子で小学生時代、塾に通ってて
親からの希望もあり佐々丘に入学した子が多く、
勉強に固執することなく明るく楽しい子ばかりだった。
だからこそ、山口先輩の手紙はうれしかったのだ。
私はうれしくて居ても立ってもいられなくなり、
すぐにお礼の手紙を書いた。
ただ、山口先輩と手紙のやりとりをしてるなんて、
宏美にはもちろん、寮の子たちにも言えるわけがない。
なんとしてでも秘密にしなければならない。
でも佐々丘は少数精鋭を謳ってることもあり、
全学年合計しても200人足らずの学校だった。
文通なんて続けてたらすぐに噂になりかねない。
私はやむなく、山口先輩がまた返事を書かなくて
いいようにお礼の手紙は簡潔に書いて送ったのだった。
そうして、私と山口先輩との手紙のやりとりは1往復で
終了した。
ところが、しばらくたったある日、なんと山口先輩から
直接私に声を掛けてくれたのだ!!