佐々丘に入学してしばらく経つと、
ようやく私は佐々丘での学生生活も寮生活もやっと分かってきた。
ただ、相変わらず規則だらけの学校と、学習時間だらけの
寮には慣れなかったけど。
それでもなんとなく初めて出会う同級生達が見えてくる。
有実はどちらかというと内向的で内にとじこもる傾向があったが、
私は新しい友達が欲しかった。
佐々丘まできて、わざわざ有実ともっと仲良くなる気は
さらさらなかったし。
その中で最初に友達になったのは、同姓の子たちだった。
佐々丘は基本全寮制ということもあり、日本全国から生徒が
集まっていた。
その中でやっぱり「佐藤」は多いらしい。
私のクラスには、私を含めて4人の佐藤がいた。
そのなかでも一番気があったのは、佐藤宏美だった。
宏美はたまたま地元の子で、実家から通学していた。
入学してすぐ意気投合して、昼食や休み時間は一緒に過ごした。
宏美は何事にも積極的で、言いたいことはハッキリ発言した。
もちろん、好きな人にもストレートに告白する。
そんな宏美が最初に好きになったのが山口先輩だった。