このブログでは、航空の安全性をテーマにしています。
人間の予想とあらかじめプログラムに決められたコンピュータの動きとがバッティングすると、人間は慌ててしまい、時に更に誤った信号をコンピュータに入力してしまった例です。
26年が経ちました。
1994年4月26日に名古屋空港で発生した、着陸進入中の中華航空140便、A300型機の墜落事故がそうでした。
中正国際空港(現:台湾桃園国際空港)発名古屋空港(現:名古屋飛行場/通称:小牧空港)行きでした。
この事故では乗員乗客271人中264人が死亡しました。
副操縦士の操縦での進入着陸でしたが、高度1070フィート(330m)付近で誤って、ゴーレバー(着陸をやめて、上昇に移るモードに入る)に触れてしまいました。
飛行機は降下する事をやめ、頭を上げ推力も上げて行きます。
パイロットの着陸のために降下を続けるという予想に反して、突然の動きに、機長が副操縦士にその着陸復航モードを切る様に指示しました。
副操縦士は降下経路に戻るために操縦桿を押します。
コンピュータは、その動きに逆らう様にますます頭上げようと舵面に信号を与え続けました。
そう、着陸復航モードが切断されていなかったのです。
そのうち、推力は最大に上がり、飛行機の頭は50度を超え、速度は低下、失速してしまいました。
落ち着いてコンピュータのモードを切り、推力も適切に戻せば事故は防げえたのです。
以前紹介したパリでのA320の展示飛行もそうですが、パイロットとコンピュータの関係の難しさ、過去には何件もそのヒューマンエラーが原因とされる事故が起きています。
続きはまたいずれ書きたいと思っています。