今月1日にパキスタンの首都近郊の町で、米海軍特殊部隊が潜伏先を急襲しテロ組織であるアルカイダ指導者ウサマ・ビンラディンを殺害した。

オバマ政権は適法だったと主張しておりアメリカの法律的には問題ない行為という見解もあるのだろうが、米国の国際法の専門家たちは、法律上の重要な問題が残されていると指摘する。

先進国の法律では、犯罪を犯した者は裁判を経てその罰が決定されると定められているはずで、その国の主権が及ばないはずの外国にまで1国の部隊が侵入し、ほとんど抵抗しなかった彼を殺害した今回の行為、アメリカだから静かな批判が広がっている程度だが、他国がこんな事をやれば大問題になるのは間違いない。

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1973年(昭和48年)に東京に滞在中の韓国の民主化運動家である金大中(きむでじゅん)氏を、韓国の情報部隊であるKCIAが拉致して韓国に強制的に連れ帰った例があり、日本の主権の侵害などと世論の批判も多かったが、日本が舞台とはなったものの、これは韓国国内の問題とも言えなくもない。

これに対して今回の行為は、アメリカという国がパキスタンという他国に部隊を差し向けて、サウジアラビア人である彼を殺害するという、相手が個人だから戦争とは呼ばれないだけの非常に強引な手法である。

そもそも911の首謀者が彼だという証拠を本当につかんでいるのかも疑問を感じる。

アメリカ国内で引き起こされた、歴史上最悪のテロに対して、アメリカの威信をかけた解決方法がこんなことだとは信じがたい。

フセイン元大統領も2003年(平成14年)に、アメリカ合衆国陸軍第4歩兵師団と特殊部隊により、イラク中部ダウルにある隠れ家の庭にある地下穴に隠れているところを身柄拘束されるのだが、この際はしっかりとイラクの裁判を経て死刑となった。

アメリカというのは、気に入らない人を世界中何処にでも殺しに行ける権利を持つ国なのだろうか。


 ・・・おの・・・