学校の先生に知り合いが多く、教員の苦労話を聞く機会も多いのだが、ここ数年教員を悩ませるウエイトが急増しているのが特殊保護者とでもいうのだろうか、普通に受け答えしても納得しない保護者の問題であろう。
通常の会社勤めの人でも、ある程度以前から顧客対応の仕事をしている人は、ここ数年の顧客対応に従前の経験とかいったものが通じにくくなっていると感じるのは共通するところではないだろうか。
私自身クレーム対応の作業は何度と無くやってはきたのだが、自分の権利をしっかり主張するものの相手の立場は知ったことではない人々が一般的となってきて、エンドユーザー個人の権利が強くなってしまって、大きな組織や会社に所属する方が立場的に弱くなってしまっている現状がある。
通常の会社なら、そう継続的に特定の顧客を相手することはなかろうが、学校では少なくても1年間、長ければ数年間にわたって特殊保護者の対応に迫られることも珍しくなく、一般的には公務員対一般保護者という構図で、税金を払っているのだから勤務時間目一杯、私の子供の世話をして当然みたいな主張も多いようだ。
ややこしい保護者対策に切り札はなく、学校や教育委員会のバックアップ体制は脆弱の極みであり、担任の先生や責任者たる校長先生の大きな心の負担になることはごく普通の状況である。

クレームをつけられて、自分の考え方を説明して、それで保護者が納得しなければ実はほとんど対抗策がなく、解決策がないのにもかかわらず現場任せにされている日本の教育の闇がある。
そんな中、昨日のニュースで、担任する女子児童の両親から長期にわたる抗議を受けたことで不眠症になったなどとして、埼玉県の小学校に勤務する女性教諭が、両親を相手取り、慰謝料500万円を求める訴訟を起こしたというのが流れた。
報道では前例のない前代未聞みたいな論調も感じられたが、女児の母親は教諭に
「同級生が悪いのに自分の娘に謝らせようとした。」
などと抗議の電話をかけたほか、連絡帳で
「全く困った先生です。」
などと度々学校に苦情を寄せていた。
「同級生が悪いのに自分の娘に謝らせようとした。」
などと抗議の電話をかけたほか、連絡帳で
「全く困った先生です。」
などと度々学校に苦情を寄せていた。
さらに、同教諭が給食指導中に児童の背中に触れただけで、暴行容疑で県警に被害届を提出したというのだから、全く困ったのはこの保護者であることは間違いないようだ。
同教諭は余りにしつこい苦情から不眠症に陥って、校長に
「担任を降りたい。」
と申し出た上で弁護士に相談して、提訴に踏みきったということらしい。
「担任を降りたい。」
と申し出た上で弁護士に相談して、提訴に踏みきったということらしい。
学校内のトラブルで裁判沙汰といえば、以前なら少々大人気ないと感じられたのだろうが、児童や保護者の常識を逸脱した行為に対しては、極端に手厚い保護がなされる歪んだ日本の教育現場の原状を考えれば国に任せるのではなく、教員個人個人のこういった大胆な行動が絶対必要だと感じる。
この教諭をしっかり守ることの出来るシステムは残念ながら現状ではない。
・・・おの・・・