昨日24日午後3時前に、事務所の私の席の後ろにあるテレビを見た同僚が
「釈放だ!」
と叫んだ。

昼休みなど以外の勤務時間は、消音にして映像だけ流し続けるのが私の事務所の常だが、映像には
 中国船船長処分保留で釈放
というテロップが流れていた。

                 http://www.geocities.jp/ginbaeyokohama/ono2/tyuugokusen.JPG

連日の厳しい中国からの圧力がありながらも、日本の法律にそって粛々と手続きを行うだけという、毅然とした態度を取っていた政府であったのだが、この突然の釈放の報道に物凄く嫌な気分になったのは私だけでないようで、周囲の同僚たちも不安そうな表情を浮かべながらテレビに注視した。

直ちに船長の無条件釈放を求めていた中国の主張が100パーセント受け入れた、日本としては無条件降伏のような状況に体中から力が抜けて屈辱感が事務所に広がった。




















 ・・・




















まるで玉音放送を聞く国民のようにその後の報道に目も耳も傾けたのだが、検察庁があくまでも検察庁の判断として国際情勢をも視野に入れて判断したと、次席検事とやらが非常に複雑な表情で説明していたのだが、犯罪を犯した人を裁くのに他国の圧力をも参考にするのだと初めて知らされた。

大きな憤りを感じたものの、日増しに強力になっていく中国の対抗措置は、建設会社の社員を拘束するに至ってその緊張感は相当なものでり、過激な中国報道では、1ヶ月で日本を叩き潰す方法として、各種希少資源の輸出禁止や円買いの市場介入などというものもあり、長引けば大きなダメージを受けるのは目に見えていた。

家に帰ってみたネットニュースには菅政権を批判するとコメントが多く並ぶ。

しかし、冷静に考えれば菅政権が中国に負けたのではなく、中国依存の貿易の拡大で、もはや中国にノーといえない日本になっている日本の立場を今回の騒動が教えてくれたに過ぎないのだと数時間経って気付いた。

イメージ 1

資源も無い小国の日本が経済大国でいられたのは、原料を輸入して製品を輸出して儲ける加工貿易に頼るところがほとんどなのだが、資源を輸出しないし製品も買わないよと中国に言われれば、不況にあえぐ日本でなくても息を止めてしまいかねない重大な局面になる。

24日に決断したものの、この後、これまでどおりの主張を繰り返し裁判のゆっくりした時間の流れを待っていたら、中国の様々な圧力を受け続け、有効な対抗手段も取れないまま、経済的損失と屈辱感だけが大きくなっていたに違いない。

国民みんなが収入が3分の1になっても中国に毅然とした態度をとるべきだいう覚悟があるのならともかく、豊かさの中でしか生きられなくなってしまった国民だらけの日本では、次々と制裁措置の影響を多くの企業が受け始めてしまえば、企業国民双方から現政権が大きな批判にさらされるのは間違いないだろう。

釈放して終わりというわけではなく、新たな弱い立場での日本のスタートである。

弱小の独立国であり続けるくらいなら、中国の日本省になるかアメリカの日本州になるのか早急に決めた方がいいのではなかろうか。


 ・・・おの・・・