和歌山県南部のとある場所に別れを告げた私は、北上することにするのだが、南下するときに使った国道42号線をまた走るのもどうかと考え、熊野古道などを見ることが出来る少し東よりの道路走ることにした。
熊野古道自体をバイクではしることができれば楽しいのだろうが、その道は歩く専用らしくバイクの乗り入れは出来なかったので、時々バイクで走る事の出来る道に姿を現せる古道を見ながら、ほんの少しだけその雰囲気を感じながら北上を続けた。
熊野古道にあるとある神社は、しっかりと整備はされているものの灯篭に生えた苔さえも熊野古道の歴史を感じさせる演出となっており、全部を歩いてみないとその素晴らしさは完全には理解できないのであろうが、さわりの部分だけは楽しませていただいた。
紀伊半島内部を走るこの国道も、道はよく車や信号を見る事もほとんど無く快適に走ることが出来、自然と目に飛び込んでくる山や川の景色も圧巻で、和歌山南部に行く時に海沿いの大きな国道だけが選択肢ではないということが良く判った。
素晴らしい景色の中、バイクは快走を続けるのだが、昼に近づくにつれ猛烈な暑さがヘルメットの中に充満してきた。
暑い・・・
暑い・・・

かき氷でも食べたい気分なのだが、大自然の中の国道であり他に車がいないのは快適なものの、少々田舎過ぎてお店はおろか民家を見る事もそれほど多くない状況では、かき氷が食べられる状況とは程遠かった。
横に流れる綺麗な川を見ながら暑さと戦っているとき、おもむろにある決断をして脇道にそれてみた。
「あの川の水の中に頭を突っ込むと気持がいいのではないのだろうか。」
と考えて、かなり悪い道を下っていくとやっと川沿いにでる事が出来たので、バイクを止めバスタオルを持って川に頭を突っ込んでみた。
・・・
・・・
・・・
ぬるい!
なんてこった、頭がカチーンとなるくらい冷たい水を想像していたのだが、川が大きすぎて流れが遅くて温まったのか、川端の水深の浅いところだったので温かかったのか知らないが、なんだか都会の水道水の方が冷たいのではないかという微妙な温度であった。
海パンも持って来てたので、体中漬けてみたい気にもなったが、周囲に誰もおらず泳いでて足でもつったらえらいことになると頭だけ少し冷やしてまた国道に戻ることにした。
天気も良く快適なツーリングなのだが、気温と太陽光線には少々厳しいものがあって、やっと見つけた自販機で飲み物を買おうとしたとき見た事も無いくらいに真っ赤に日焼けしてしまっている自分の腕に気付いてしまった。
この先、どれだけ焼けてしまうのだろうか。
・・・おの・・・