中学2年の時、仕事の関係で1年ほど前から父が働いていた韓国に1年少々住む事になったときの事をシリーズで書かせてもらっているが、今回はその第6話。
 帰国子女①
 帰国子女②
 帰国子女③
 帰国子女④
 帰国子女⑤

第5話に書かせていただいた、スケートの授業で
 なんじゃこりゃぁ
と連れて行かれたその先は、ベニヤ板かトタンで簡単な柵をされた
 田んぼ
であった。

スケート場というからには、屋根や壁のある施設を連想したのだが、韓国では厳しい寒さのお陰で水さえ溜めとけば冬場は凍ってスケート場になるらしく、行ったスケート場以外にも多数の水を張ってスケート場をしている田んぼがあった。

田んぼとはいえ氷が張れば立派なスケート場で、多くの客で賑わっており、スケート靴の砥屋さんも完備されおり、スケートリンクで充分スケートを楽しむ事が出来た。

前回日本と書いて日本の南の方と書き換えたが、日本の南のほうではありえないこういった自然のものを利用したスケートリンクも、北の方ではあるのかと思ったが、やはり頂いたコメントを見る限り池や川のスケートリンクが存在したようだ。
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さて、韓国の寒さに関するエピソードも色々あって書ききれないものを感じるが、なんせ寒かった記憶がある。
ソウル市内に漢川(ハンガン)と呼ばれる、大阪で言えば淀川みたいな象徴的な大きな川が流れているが、この川が冬場は凍ってしまう。


私にとっては未体験の強烈な寒さは、日本でも北国では当たり前だろうが、南国育ちの私には非常に新鮮な感覚であった。
フード付きの服を着ているものの、歩いていると30分ほどで耳の感覚はなくなり、続いて足の感覚もなくなってくる。
靴を脱いで触っても、麻痺してしまって足が自分のものである感覚はなく、耳なんて下手に触ればちぎれてしまいそうなのである。

そんな寒さを感じながら、ある日歩いて友人の家に行った。
私のアパートはスチーム暖房だけであったが、そこの外人アパートはオンドル(韓国特有の床暖房)があった。

部屋自体の気温は決して高くなかったが、冷え切った体でオンドルに上がると独特の暖かさがあった。
空気を暖めるといった当時の日本暖房と発想が全く違う、床を暖めるという暖房方式が厳しい冬の韓国にはあった。
足や腰などを中心に暖めてくれるので、独特の暖かさを感じることが出来た。

冷えて緊張しきった体が徐々に温まっていく。
寒さが痒さに変わっていって体がポカポカするのに30分ほどかかるが、この30分が最高の時間だと感じた。
イメージ 2

寒さに関するエピソードはとりあえずこの辺にすることにする。


さて、とある日私は体調を壊して、初めて韓国の病院のお世話になることになった。
診察の後、注射をされるのだが、韓国でされた注射は日本では考えられない画期的な針を刺す痛みを全く感じない無痛注射であった。

笑ってしまいそうだけど、確かに日本では感じるはずの針を刺す痛みを全く感じさせないその注射方法については、次回紹介させていただく。


 ・・・おの・・・

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