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高1の頃とまあずいぶん前の話に遡るが、最近の出来事で記事になりそうな事が思いつかないのでそれだけ遡る。

先輩がバイクに乗っているのを見て以来、すっかりバイクの虜になった私は、バイクの免許を取ろうと、夏休み某工場でバイトをすることにした。

今もある有名な会社の工場であるが、やる作業は極めて単調な流れ作業で、商品になる機械の部品を加工用機械が加工するので、私は
・ザルに入れられた部品を一個機械の定位置に置いて機械のボタンを押す。
・加工が終われば部品を取り外してザルに入れ、機械に新たな部品を置いてボタンを押す。
・ザルの部品が全て加工し終わったら、持っていってまた新しい部品を受け取ってくる。
という、数工程だけの恐ろしいほど単調な作業であった。

当時日給
 2500円
程度と、3000円を超えるバイトが多い中、それ程給料が高くない割りに疲れを感じるバイトであった。

バイクのためだと毎日頑張ったが、トタン張りのような工場でなんせ暑く、いくつか扇風機はあるのだが暑い工場内の空気をかき回すだけの役目であった。
単純作業は決して嫌いではなかったが、恐ろしく暑い劣悪な環境は意識を朦朧とさせ過酷そのものの作業だと感じた。


とある暑い日、私はいつもどおり作業をやっていたが、あまりの暑さのせいで時間を追うごとに冷たいものを飲みたい気持ちが増し、機械を加工する時にずっと目の前を流れている黄色の潤滑油さえも飲みたい衝動に何度と無く駆られていた。

この日は時間が過ぎるのがやたら長く感じられた。
休憩時間になるまで水を飲むことは許されない雰囲気だ。
何か飲みたいという衝動はドンドン強くなって、耐えられないような気がしたとき周囲が急に暗くなった。

気がつくと、正社員の人がそばにいて、
「大丈夫か?」
と声をかけられた。
どうやら、貧血気味になって気が遠くなり無意識にしゃがみこんでいたたらしい。
少し休ませてもらってずいぶん楽にはなったものの、しばらくして自分には向かない作業だと感じ辞めさせていただいた。

体力的にはきついながらも自分の行動にある程度自由が許された土木作業員なんかのバイトの方が楽だったと今でも思う。

同時期に入ったバイトも貧血を起こして、回転するドリルの刃を触ってしまい病院行きとなった。

このバイトは結局1ヶ月も続けることは不可能だった、私の人生史上、未だに抜かれる事の無い最も私に合わない作業だと感じている。

きつい仕事と一口に言うが、きつさにもいろいろあって自分に合うきつさと、そうでないきつさがある事を学ばさせてくれたバイトであった。

このバイトの後、私は念願のバイクの免許を取る事になる。


※画像はイメージで記事と関係ありません。


 ・・・おの・・・