1000キロの親孝行③ からの続き
次の日の朝、目を醒ますと母はもう既に起きていた。
母は
「汗をかいたので風呂に入りたいから溜めてくれ。」
と言った。
母は
「汗をかいたので風呂に入りたいから溜めてくれ。」
と言った。
風呂を溜めてやると、1人で風呂に入り始めた。
頼むから助けが要りませんようにと思いながら、タバコに火をつけたとき悲劇が始まった。

風呂から
「ちょっと手伝って。」
と嫌な声がかかってしまった。
仕方ないので風呂に入ると、浴槽に腰をかけるところまではいけたものの、手すりが少ないので足を浴槽に入れるときに体を支える事ができないと言う事だった。
頼むから助けが要りませんようにと思いながら、タバコに火をつけたとき悲劇が始まった。

風呂から
「ちょっと手伝って。」
と嫌な声がかかってしまった。
仕方ないので風呂に入ると、浴槽に腰をかけるところまではいけたものの、手すりが少ないので足を浴槽に入れるときに体を支える事ができないと言う事だった。
考えてみると足も手も片方しか使えないので、体を支える十分な手すりも無ければ仮にあっても、動かない方の足を浴槽内に入れるとき手が1つ足りない事になる。
家の浴槽なら手すりの数も多く、浴槽の上に体を安定して座る事が出来るよう板が置いてあって、板にどかっと腰を下ろして手で動かない方の足を移動させられるのだが、ホテルの浴槽は座れる位置が普通の浴槽と同じ幅しかないので全然安定せず、浴槽内に体を移動できない構造なのだ。
家の浴槽なら手すりの数も多く、浴槽の上に体を安定して座る事が出来るよう板が置いてあって、板にどかっと腰を下ろして手で動かない方の足を移動させられるのだが、ホテルの浴槽は座れる位置が普通の浴槽と同じ幅しかないので全然安定せず、浴槽内に体を移動できない構造なのだ。
もうちょっと工夫してくれよと思ったが、障害者の障害の状況はそれぞれが全然違うので、多くの客を相手にしなければいけないホテル的には無理なのかもしれないと感じた。
母の介助をしてやるのは子として仕方が無いが、体が動かないストレスからか結婚した時の倍くらいに大きくなってしまったであろうその体は、私の体重を超えているようで正直本気で足を滑らせたりして体重をかけられると支えられる自信は無かった。
無事入浴を終え母は満足そうだったが、私的には正直言って地球上で最も見たくないものを見たトラウマ的出来事となってしまった。
私のブログに来ていただいてる人の中には、肉親の介護をそれこそ365日休み無くやられている方や仕事として介護をやられている方もおられる。
恥ずかしいとか汚いとか言う一線を超えてから介護が出来るわけで、なんとなく施設や女の兄弟に任せがちであったが、ほんの少しその苦労がわかったような気がする。
恥ずかしいとか汚いとか言う一線を超えてから介護が出来るわけで、なんとなく施設や女の兄弟に任せがちであったが、ほんの少しその苦労がわかったような気がする。
母の場合、軽い失語症と記憶障害もあるが、昔話を中心に全く問題なく出来る会話もあり、左半身だけとはいえ健全に動く部分が残っており、1人暮らしもヘルパーさんの助けを借りられれば問題なく出来るので、障害者の中では恵まれていると思う。
せめて体重があと40キロ少なかったらだいぶ楽なんだが、時々私の腕とか背骨とかが折れそうになったのは気のせいなのだろうか。
-つづく(本日ここまで)-
・・・おの・・・