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長男が生まれたとき、絵本のセットを買って長男にも長女にも末っ子にも、女房が気長に読んで聞かせてやった。

私もたまに読んでやったが、私の子供への愛情より子供の好奇心の方が大きいらしく、最後はいつも
「もう一冊読んで。」
という子供の声にこたえられず、少々がっかりする子供の表情を見るのが嫌で、私はそれほど読んでやった記憶がない。

多くの絵本がある中、末っ子が特にお気に入りだったのが
 はらぺこあおむし
の絵本であった。
来る日も来る日も末っ子に読んでやる女房の声を良く聞いたものだった。

末っ子が3歳の時、
「お兄ちゃん、本読んで。」
とせがんだが、お兄ちゃんは
「めんどくさいから嫌だ。」
と言うと、末っ子は一人ではらぺこあおむしの絵本を見ていた。

そのうち何かしゃべっている末っ子の声が聞こえてきたが、ほっとくと上の子が
「凄い  読んでる。」
と大きな声を出した。

末っ子の方へ行くと、なんとはらぺこあおむしを正確に読んでいる末っ子がいた。
まだ3歳で字なんか読めるはずもなく、不思議に思って見ていると
「あたたかいにちようびのあさ、あおむしがうまれました。
 げつようびにりんごをひとつたべました。
 かようびにはなしをふたつたべました。
 すいようびには・・」
と、なんと最後まで読みきってしまった。

嘘だろう・・・
と思いながら、末っ子にもう一回読んでもらって、よく観察していると視線は字ではなくて、絵を見ながら読んでいるようで、繰り返して読んでもらっているうちに絵を見てそのページに書かれている文章を思い出せるようになってしまっていたようだ。

大体ではなくほぼ正確に本一冊読みきったのにはびっくりしたが、読みきった末っ子にというより、末っ子が覚えるくらい何回も読んだ女房に感動を覚えてしまった。

 ・・・おの・・・