
「お茶づけ海苔」
ではないだろうか。
我々日本人にはカップラーメンと並ぶくらいポピュラーな即席食品だろう。
この永谷園のお茶漬け海苔は、1952(昭和27)年に、晴れてお茶づけ海苔の原型が完成し、当初は瓶に100袋ずつ詰めて販売し、公務員の給料が6000円の時代に1袋10円だという。
物価が単純に30分の1と考えると、なんと1袋300円という今で言えば高級カップ麺に匹敵する高額商品だったらしい。
お茶づけ海苔の売れ行きは60年代にかけて急伸し、70年代にはお茶漬けと言えば永谷園のお茶づけ海苔を指すくらい定番的な存在になっていた。
お茶づけ海苔は味もさることながら、付録のカードの印象が大きい。
資料によれば1965(昭和40)年から97(平成9)年まで、30年以上にわたって
「東西名画選カード」
という付録がつけられたとのことである。
私的には
「東海道五十三次カード」
が最も印象的で、カードを20枚集めて郵送料と共に永谷園に送れば、美しい化粧箱入りの1セット(55枚入り)をもらえるということだったが、面倒くさがりの性格ゆえ応募することもなく結局このセットを手に入れることは無かった。
子供心に見たカードの中で迫力があると感じて少なからず感動した1枚のカードがあったのを思い出したので、東海道五十三次カードでサイトを検索しても目当てのカードは見当たらなかった。
調べるとカードの付録は、ほかに
「喜多川歌麿」
「北斎 富嶽三十六景」
「印象派 ルノワール」
など、全部で10種類もあったことが判った。
1枚1枚見ていくとやっと目当てのカードを発見した。
北斎が描いた富嶽三十六景シリーズの
神奈川沖浪裏
という絵だということが判った。
有名な絵だろうが絵の趣味も無いので良く判らないけど、子供心にこの大胆に描写された力強い画風に感動を覚えた。
まるで化け物のように描かれた波が船を飲み込もうとする迫力は今見ても新鮮な感動を覚える。
・・・おの・・・