
州側は
「お金持ちが引っ越してくれば税収が増え、結果的に低所得者も助かる」
という思惑なのだが、当然どこかがディスカウントを始めれば他州との税率引き下げ競争を懸念する声も出ているとの事。
州都ザルネンはアルプス山中の小さな町で州民1人当たり年間所得は約330万円とスイス平均の約4分の3程度。
スイスはもともと、欧州最低水準の税率で世界中のお金持ちを引きつけてきた経緯もあり、節税対策でスイスに居を構える大富豪は3000人に上るとされる。
同州の新税制では年間の課税所得が約2700万円以上になると所得税率が下がる。
課税所得約9000万円の人が支払う州所得税は従来より3割少ない約1060万円で、電車で1時間強の距離にあるチューリヒ州の税額の43%にすぎない。
法人税も欧州最低水準に引き下げたオプワルデン州の新税制は他州や外国に住む富豪や大企業の誘致を狙っているのはみえみえだが、過当競争を引き起こせば全体的に税収不足となるのは目に見えているので、極端な税金のディスカウントは誰が考えても問題がある。
町の人たちの反応は
「お金持ちの方が低税率なんて少し不公平な感じがする」
と話す人もいれば、
「働き口ができれば都会に働きに出なくていい。」
という賛成意見もあって、そこに暮らす人々にとってはある程度歓迎されているようだ。
高額納税者ほど税率を下げるこの方法、問題は多いが確かに画期的な方法でもある。
大阪市が仮にこの制度を導入して、結果的に税収が10倍になったとしても、今の大阪市なら豪快に公共工事なんかやってほとんど市民の役に立たないものを造って、予算を使い切ってしまいそうで恐い。
画像は大阪市の市章としても親しまれている澪標(みおつくし)で、海や川を行く船が安全に通れる水深の深い場所を知らせるために立てられた航路標識。
・・・おの・・・