
昨日の日曜日、少しは外に出ようと自転車で街に出てみた。
我が家は狭いし日当たりも悪いけど、唯一大阪の中心にまあまあ近いという長所もある。
うろうろしながら御堂筋に出て、難波方面に向かうが日曜日は人も多く歩道を走れば歩行者が邪魔だし、車道を走れば車の邪魔になってなかなか大阪の中心部における自転車という乗物の地位の微妙さを感じる。
電気屋街の日本橋を抜けて通天閣についたあたりで、釜ヶ崎に行く事にした。
以前釜ヶ崎と呼ばれた労働者の町で、南海線の新今宮から萩之茶屋くらいがその中心になるのではないだろうか。
市内に住んでいる人は何回か目にしたことはあるかもしれないが、大阪に住んでいない人には非常に珍しい空間だと感じるはずだ。
労働者といっても一般的な人は60歳から70歳くらいの男性労働者が多く見られる地域で、
あいりん労働福祉センター付近から繰り広げられる、タイムスリップしたような町の景色には初めて訪れる人は目を奪われるだろう。
まずゴミが道路に増え始め、年配の男性労働者の割合が急に高くなり、空缶やダンボールを載せた自転車なんかも多くなり、道路に人が倒れている姿もそれほど珍しくない不思議な町並みへと変化していく。
ホテルも沢山あるが驚くべき料金設定で1泊数百円から高いところで千円を少し超えるような価格が一般的である。
中にはビジネスホテル並みのホテルもあるそうだが、所謂簡易宿泊所なのである。
今年の寒い冬には今時珍しい焚き火を目にする事も多い。
大きい道路はどうと言う事はないが、小さな路地に入ると男の私でもたむろする労働者風の男達に若干の恐怖感を感じるのだから、女の人はまず入ることは出来ないと思う。
ジュースなどの自動販売機が50円からとかいうのが非常に多く、スタンダードな1本120円の販売機の姿がほとんどないのも又凄い。
昭和初期の映像でも見ているような不思議な光景が現実に現在の大阪にある。
デジカメで撮影する勇気などないので、画像は通天閣以外は全て借用したものだけど、大阪ならではの文化とでも言うのだろうか、他の府県では絶対に見られない光景ではなかろうか。
誤解のないように補足するけど、ここでたむろしている人は不労者でも浮浪者でもない勤労意欲が旺盛で生命力の強い人達なのである。
この付近は人が多すぎて住みにくいけど、諦めて他の公園などに移ってしまうと仕事にありつく機会が減ってしまうので、この狭い区域に多くの労働者が集まってきているのである。
日本の景気が本当に良くなれば、昼間からたむろしている労働者の姿は減る事は間違いない。
初めて見た時はかなりショックを受けた光景も、今や普通の景色でしかない。
・・・おの・・・