
警察庁によれば、昨年の刑法犯の検挙率は19・8%であり、20%を割ったのは、戦後初めてのこと。
昭和四十、五十年代は60%前後で推移し、検挙率世界一とか最も安全な国とか言われていたが、20%割れはそうした認識を覆す深刻な数字である。
大きな原因に挙げられるのが犯罪の急増がある。
昨年一年間に全国の警察が認知した刑法犯は約二百七十三万件で前年より約三十万件増も増え、最悪の数字となっている。
刑法犯は平成十年に初めて二百万件を突破し、この四年間で七十万件も増加してしまい犯罪に警察の捜査が追いついていないとも言われている。
犯罪の構成自体はそれほど昔と変わっておらず、約九割は窃盗犯や器物損壊などだが、調べが終わらないうちに別の事件の対応に振り回されるといった状態であるらしい。
ピッキングと呼ばれる特殊な手口の窃盗や組織的な自動車盗なども急増し、事件の把握や解明に時間がかかるようになり、こうした点も検挙率を押し下げる要因になっている。
さらに、国外からの流入人口の増大や地域コミュニティーの弱体化、外部からの干渉を嫌う生活様式の定着など社会的要素が絡み合い、捜査を難しくしている。
いま、犯罪が身近になったと感じる人は確実に増えている。
動機・背景がわかりにくい犯罪が多いことも、人々を不安にさせている。
こうした「体感治安」の回復には、やはり警察が地道に捜査力を高め、検挙率を上げるしかない。
そのためには犯罪の傾向やパターンを早期に把握・分析し、的確に対応することが求められる。
警察庁は、来年度から従来の指紋捜査に加え、コンピューターに登録した掌紋捜査を始動させる。
高級車盗に対し、警察庁と財務省、国土交通省などが連携し、自動車に盗難防止システムを組み込む検討も行っている。「官と官」、「官と民」の協力がますます必要となろう。
再び世界一安全な国と言われる日が来るのかどうかは、単に警察の努力だけではなく犯罪を憎み捜査に協力しようとする一般国民の意識も大切な要素ではないかと思う。
仕事で一般家庭に行く事もあるが、最近おれおれ詐欺や年寄向けのリフォーム詐欺の影響だろうか、インターフォンを鳴らしてもお年寄がドアを開けてくれないケースが多い。
社名を名乗っても、そんな会社は知らないといって一方的に話を止めてしまうお年寄が多い。
一昔前は、年寄は暇な人が多くそんな家に訪問してしまうと、延々と話を聞かされて本質的な仕事の話ができなかった事も多かったが、ドアも開けずにほとんど話しもできない今の状況よりはましだろう。
・・・おの・・・