
成田空港で20日、脊柱(背骨)など特定危険部位が除去されていない米国産牛肉が輸入された。
見落としてしまうほどの脊柱かと思えば、誰が見ても判るというか見落とすと言うよりも検査していないような存在感である。
日本の輸入条件違反するということで、またまた輸入が停止されてしまった。
一体アメリカ側はどんな言い訳をするのかと思えば、
「米政府の検査官は、特定危険部位である脊柱が付いた肉を日本に輸出できないことを知らなかった。」
と説明した。
低姿勢なのは良かったが、これだけ大きい問題を知らなかったというのもスケールの大きな話である。
問題の牛肉は生後4カ月半未満で、米国では30カ月未満なら脊柱など特定危険部位の除去義務はないが、日米の合意で日本向けは除去する必要がある。
輸出した米食肉業者も
「輸出条件を誤解した」
と釈明した。
同社に常駐し指摘するべき検査官までも、脊柱の除去義務を認識していなかったという事で、こんなに大きな背骨がついたままの牛肉が輸入された理由が理解できた。
吉野家この問題を受けて、2月中旬から再開する予定だった牛丼の販売を当面延期することを決めた。
同社によれば輸入再開からこれまで買い集めた牛肉については、すぐに廃棄はせず、しばらくは在庫として保管するという。
記者の質問に対する苦渋の回答だと思うが、廃棄といってものどから手が出るほど欲しくてやっと買い集めたアメリカ産なのでそう簡単に廃棄というわけにはいかないだろう。
日本向け輸出の条件を守るために米政府が作った「輸出プログラム」の根幹が揺らぎ、日本の消費者の不信感がいっそう強まるのは必至で、日本側が納得するような対応策を打ち出せなければ、輸入禁止が長期化するという声もある。
米国の国内法においても食肉業者による特定危険部位の除去義務違反の摘発が年間千件を超えると書いてあったので、いいかげんな業者が相当数いることも事実のようだ。
日本の輸入停止を受けて、米畜産業界や議会からは米国産牛肉の安全性を強調し、早期再開を期待する声が次々と上がっているらしいので、謝罪が圧力に変わり輸入再開されるのは間違いないだろう。
NOと言えない日本とかいう本がかなり前に話題になったが、大国的には謝っているうちに言う事を聞くか、脅されてから聞くかは日本が決めればいいだろう的雰囲気を感じる。
どうでもいいけど、一昨日も焼肉を食べてしまったし、来月に予定されていた吉野家の牛丼再開も楽しみにしていたのに少々頭の痛いニュースであった。
・・・おの・・・