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CB無線という世界は前回この書庫で少し話したけど、今回はCB無線機の進化系のCB無線機の話。

無線をやった人なら判るが、より遠くの人と交信できることが1つのステータスとなる。
従って、欲望を満たすためにはより良いアンテナ、より高出力の無線機などが必要となってくるが、日本の法律の規制が厳しくCB無線機には外部アンテナも付けられず、出力も0.5ワットと無線機の中では極めて微弱なものしか認められていなかった。

そこで誰が始めたのか知らないけど、アメリカ輸出用のCB無線機の国内での普及が始まった。
出力は10倍以上の5ワットくらいからあったと思うし、チャンネル数も日本のCBが2チャンネルから8チャンネルにやっと増えたといっていた時代に20チャンネル以上あった。
値段も日本のCB無線機より本体は安い、ただアンテナやケーブルなど無線機以外に買わなければならないパーツもあった。

子供の玩具かせいぜい駐車場生理のガードマンの連絡用としてしか使えないような日本のCBに変わって、アメリカへ輸出されるはずのアメリカCBが急速にブームとなってきた。
このような無線局は当然違法である。
一度禁断の木の実を口にしたユーザーの1部はより高い欲求を満たすために、パワーブースターと呼ばれる増幅機を取り付けて50ワットや100ワットを超えるような凄まじい高出力に変貌していった。

無線機を見てもらえれば判るけど、無線機自体も1流の電機メーカーが作ったほどの完成度でもなく、パワーブースターに至っては、そもそも合法的な使用方法も無いような代物だから粗悪なものが多く、高出力故の混信くらいならともかく、信号機や自動ドアの誤作動や電源を切っているステレオから突然音が出るなどの奇怪な現象、更には某メーカーの電子自動ストーブの発火など一部被害を伴った社会悪となり問題となった。

実験で某メーカーのストーブが無線機を近くで使うと自然発火する現象はテレビで取り上げられ、押入れにしまったストーブが突然発火して火災が発生するというもので、見ていて恐ろしいものがあった。

私の仲間内でも、アメリカCBはハイチャンと呼ばれて購入するものも出てきたが、違法なものなのでかなりの抵抗もあり、結局手にする事はなかった。
しかし誰かが買うとその性能は圧倒的で、こちらからの電波は届かなくてもかなり遠くからハイチャンの電波を受信する事ができた。
ブースター入りに至っては、完全な暴力みたいなもので、市内で誰か使い始めるとそのチャンネルは独占状態になり、日本のショボイCBの出力では交信が不可能な状態となりマスキングと呼ばれる現象が発生した。

しかし、そのうちに調子に乗って高出力を求めていった知り合いの中には摘発を受けたと噂されるものも出始めて、私の仲間うちではそれなりに沈静化していったと思う。
しかし、今でも長いアンテナを上げて走っているトラックがいるのだから、まだアメリカCBは健在のようだ。

ボイスチャットを体験した時、おいおいまた無線ブームみたいなことになってきたと感じた。
別に用事があるわけでもないけど、だらだらとくだらない話を何時間もする文化は何時までも滅びないようだ。

長くなってきたのでCBの話はこの辺で、次回はパーソナル無線を取り上げてみる。

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