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ずいぶん昔「かんしゃく玉」という最近は見ることのない花火?があった。
美しい火花を眺める普通の花火と違い、爆発音とそれを聞いてびっくりする人の顔を楽しむ火薬玩具であった。
写真のようにカラフルな色で、道路にばらまいて車や人が踏んずけてびっくりする様を楽しむのもよし、人の近くに投げつけて無理やり驚かせるもよしと、花火屋や駄菓子屋に普通の花火に混ざって売られていたものの、普通の花火とは楽しみ方がずいぶん違っていた。

かんしゃく玉は火薬と小石のようなもので出来ており、何かにぶつかれば衝撃で発火して、火をつけなくても良いと言うところも花火とは違い、ポケットに入れたまま躓いてポケットに衝撃を与えても爆発してしまう少し危ない花火でもあった。
まあ爆発といっても、爆竹ほどの破壊力も無いのでポケットに穴があいて足に軽いやけどを負う程度の損害であるが、危険性が理由なのか不健全な目的が理由なのか判らないが、最近では見ることもなくなった。

小石などをゴムで飛ばすパチンコでかんしゃく玉を飛ばせば少しはなれた人も驚かす事が出来、手で投げるより大きな音にもなって楽しかった記憶がある。
人を驚かせても子供の悪戯と笑って済まされた時代だったが、今やると何かとんでもないことになってしまうような気もする。
歩いていて突然足の下で爆発したら誰だってびっくりするし、相手が転んで怪我でもしたら警察沙汰にもなりかねない。

かんしゃくとは癇癪と書き、意味は
 ちょっとしたことにも感情を抑えきれないで激しく怒り出すこと
と辞書に載っている。
小さな衝撃で爆発するこの火薬玩具をかんしゃく玉と名付けたのも何か昔の風情を感じる。
我慢を忘れたかんしゃく国民が増え、日常のちょっとしたトラブルが殺人事件に発展してしまう現代社会で、かんしゃく玉が姿を消したのは何とも皮肉なものである。

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