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私の家は正面に結構高いマンションがあり、防音面では大阪の喧騒の中でも騒音レベルは非常に低く快適である反面、南側のマンションであることから採光面では遮光壁となって冬場はかなり日が当たらない。
それはさておき、感動の出来事の書庫的にはカテ違いというか、正反対のショックな出来事的記事となるが、珍しい体験なので書くことにする。

今から3年程前の明け方、私が自室で眠っていると
 「だーん!」
と、かなり大きい音がして目が覚めた。
私のベッドから外は見えないが、音の大きさからすれば家の前で何か音がしたようだ。
交通事故かと思って耳を澄ますが、人の言い争うような声もしないし、車のブレーキやエンジンの音もせずガラスの割れる音もしていない。
相当大きな音だったが何が起こったか想像できずに、見に行くほどの事も無いだろうと寝ようとしたが、うとうとするものの気になって眠れない。

10分ほど過ぎただろうか、思い切ってベランダのカーテンを開けると不思議な光景が広がっていた。
前のマンションの広場で、頭から地面に突き刺さるような格好で全く動かない男性の姿と、携帯電話でどこかに電話している年配の女性の姿が飛び込んできた。
男性の周りには血らしきものが見えたので、さっきの音と重ね合わせて状況を整理すると、男性がマンションの上部の階から落ちて、女性が発見しどこかに連絡を入れているようだった。
マンションを見上げるが何処から落ちたかを示す形跡は見当たらない。

男性が死んでいるであろう事は素人の私にも判ったし、その女性は警察に電話しただろうから私的には特にすることは無かったので、しばらく様子を見ていた。
朝だというのに犬を散歩に連れて行く人が結構多いし、新聞配達も何人か現場付近を通る。
みんな倒れている男性に気付いて、相当驚いている。
結構長い時間様子を見たような気がするが、十数分後警察官や救急隊員が現場に来はじめた。
最初はシートをかぶせられた男性であったが、やがて搬送されていった。

その後、噂によれば男性は20代前半で、事件でも事故でもなく自らの判断で飛び降りたとの事であった。
今ではそんなことも無かったかのように、広場の上で子供が遊び、人が沢山通っている。
私はベランダで煙草を吸うのが習慣だが、広場付近を見ながら当事の状況を時々思い出す。
私の家の正面20メートルほどでの出来事だった。
本物の写真を掲載するのも問題があるので、映像は記事の内容とは全く関係ありません。

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