
KH400というカワサキのバイク。
当事何台かバイクが集まれば必ず入っていたメジャーなバイクだった。
今も変わっていないだろうが、国内のバイクメーカーは、ホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキくらいで、他の3社が一般受けするバイクを製造しようとしていたのに対して、カワサキのバイクは他の追随を許さない強烈な個性を持っていた。
写真は右側だけしか写っていないが、一般的に左右対称のバイクが多い中、3気筒エンジンの排気管を右側に2本左側に1本出す3本マフラーが特徴的で、格好良いか悪いかは意見の分かれるところであった。
同じ3気筒でもスズキのサンパチは、1本の排気管を2本に分けて3気筒4本マフラーとしているのと対照的である。
3本マフラーといっても、カワサキのバイクを買う人は改造好きの人が多く、大体が右の写真のように集合マフラーという3本を1本にまとめて排気する物に変えられていた。
先代のSSというバイクは、じゃじゃ馬というニックネームがつくほど荒々しいパンチ力のある設定で、パワーはあっても扱いにくいというバイクだったが、逆にそのほうがカワサキらしかったという人も多かった。
SSを扱いやすくマイルドにしたのがこのKHで、集う仲間の中でも少しだけ悪に近い人たちが好んで乗っていたような記憶がある。
KHにせよサンパチにせよ2サイクルエンジン独特の瞬発力はあるものの、真っ白な排気や排気に混ざる油はねなどの欠点もあり、このクラスから2サイクルエンジンはやがて淘汰される運命となる。
無ければよく感じるのは人間の常で、欠点もあったが4サイクルに無い瞬発力や乾いた排気音は又乗ってみたい気にさせられる。
当事750(ななはん)と言えば4本マフラーがステータスであり、中排気量バイクもマルチマフラーを採用していたが、やがてそんな時代も終わり、今は単気筒以外は左右対称の2本マフラーが一般的となった。
時代にこびないというか信念を持った当事のカワサキのオートバイは、他のメーカーには無い特別の何かを感じる。
いつの頃からかカワサキはジェットスキーと呼ばれる水上オートバイも造り始めたばかりでなく、海で暴走行為を繰り広げる人々も造ってしまった。
ルールを無視し、他人の危険をかえりみず、大勢の海水浴客の中を爆音をたてて疾走するジェットスキーを見ていると、なにかカワサキの作る商品は悪人に好かれるような気がしてならない。
カワサキに言わせれば
「水上オートバイは、ヤマハも造っていますし、乗る人の問題ですよ。」
と言うのであろう。
70年代のバイクは今と違って、それぞれのバイクが確実にそれぞれの個性みたいなものを持っていたような気がする。
懐かしい・・・
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