今年は女性カメラマンのNさんと2人だけでPOGをすることになったが、アグネスタキオンの産駒だけでPOGをするという、恐らくどこにもないルールだ。
先週の金曜日(17日)に2人で10頭(牡馬5頭、牝馬5頭)を指名し、重なった場合はジャンケンで決めた。
その結果、NさんのPOGリストは以下のようになった。
<牡馬>
〇コーダリー(母キュンティア/母父Darshaan=Mill Reef系)
⇒橋口弘次郎/ノースヒルズ/ノースヒルズマネジメント/半姉にオディール
〇ヴァンガード(母スプリングレイン/母父Dubai Millennium=Mr.Prospector系)
⇒藤岡健一/シェイク・モハメド/ダーレー・ジャパン・ファーム/祖母は米エクリプス賞最優秀2歳牝馬
〇オナーコード(母スイートオーキッド/母父Gone West=Mr.Prospector系)
⇒岡田稲男/シェイク・モハメド/シンボリ牧場/母はクリスタルC勝ち馬、祖母は仏重賞勝ち馬
〇エターナルフェイム(母エターナルビート/母父Pentelicus=Mr.Prospector系)
⇒松永幹夫/シェイク・モハメド/追分ファーム/半兄にマルカジーク、おじにトーヨーレインボー
〇ナンヨーヤシマ(母モアムーンライト/母父More Than Ready=Halo系)
⇒国枝栄/中村徳也/ノーザンファーム/半姉にマヒナ
<牝馬>
〇クラヴェジーナ(母ムーンライトダンス/母父Sinndar=Danzig系)
⇒音無秀孝/G1レーシング/ノーザンファーム/母は愛重賞勝ち馬
〇ストレートラブ(母ラリーズン/母父Labeeb=Roberto系)
⇒松田博資/万波健二/社台・白老ファーム/母は米重賞勝ち馬
〇ウィケットキーパー(母コートアウト/母父Smart Strike=Mr.Prospector系)
⇒国枝栄/吉田照哉/社台ファーム/半兄にストロングリターン
〇ルミナスグルーヴ(母ソニックグルーヴ/母父フレンチデピュティ=Deputy Minister系)
⇒小島茂之/キャロットファーム/ノーザンファーム/祖母はエアグルーヴ
〇ファレノプシスの2009(母ファレノプシス/母父ブライアンズタイム=Roberto系)
⇒中竹和也/ノースヒルズ/ノースヒルズマネジメント/母は桜花賞・エリザベス女王杯勝ち馬
・・・・・・・
Nさんの作戦は早期デビュー組で、ほとんどがすでに入厩している馬だ。
「牡馬はモハメド殿下の馬が多いね」
と僕が言った。
「名前が気に入って、自然にそうなっただけよ」
とNさん。
「全体にスピードタイプが多いかな」
と僕が続けた。
「そうかもね。わたしはステイヤータイプはあまり好きじゃないから」
とNさん。マイラー中心の選び方はPOGの常套手段でもある。
「牝馬は社台系が多いね」
と僕が言った。
「それも偶然よ。スイープトウショウの初仔にしようと思ったけど、時間がかかりそうだからね」
とNさん。POGでは人気になっているが、牧場で大けがをしてかなり遅れそうだ。
「ディープスカイの全妹は?」
と僕が続けた。
「○○の弟や妹というのもあまり好きじゃないの」
とNさん。活躍しても当然で、感激が薄いからだと言う。
「でも、あまり自信はないの。牡馬も牝馬も1頭でいいからクラシックに乗ってくれればいいわ」
とNさん。POGに指名しなくても、タキオンの仔はみんな応援することには変わりはないようだ。
「でも、まあまあの顔ぶれだと思うよ」
と僕が言った。名血というより、実質に重点を置いた選び方だ。
「8~9月までにみんなデビューしてくれれば最高ね」
とNさん。タキオンの仔は仕上がりと故障が背中合わせだから、まずは無事にデビューできることが第一関門だ。
「でも、今年はよい年になりそうな気がするの」
とNさんが妖しげな目をしながら笑った。POGに負けた方は相手のどんな希望もきくという約束を思い出したらしい。
来年のダービーまでの1年間、Nさんの顔や態度がどう変わるかが楽しみだ。
(つづく)