今日は、阪神でチューリップ賞があり、レーヴディソールが出走する。


女性カメラマンのNさんはアグネスタキオンの熱烈なファンで、今週はチューリップ賞と弥生賞に期待の2頭(レーヴディソール、デボネア)が出走する。


馬券は、POG作戦(POGの人気馬で過剰に単勝が売れている馬をはずす)とダート作戦(タキオン産駒で初出走の馬や人気薄の馬をねらう)の2つで、今日は次の4レースを対象にする予定だ。


<POG作戦>

○中山5R 3歳未勝利牝 芝1800m:ヴィーヴァタキオン
○阪神3R 3歳未勝利 芝2000m:レディオスソープ
○小倉10R あざみ賞 3歳500万下 芝1200m:アグネスアンジュ


<ダート作戦>

○阪神1R 3歳未勝利牝 ダ1200m:キャリーウェーブ


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ゴール前でNさんの大きな声が響いた。


今日の最初は阪神1Rの3歳未勝利戦だった。今日唯一のダート作戦のレースで、タキオン産駒のキャリーウェーブが出走していた。


「うーん、4着だったね」


と僕がレースビデオを見ながら言った。


「でも、よく頑張ったわ」


とNさん。キャリーウェーブの複勝と1~3番人気へのワイドを買っていた。


1着は1番人気、2着は2番人気だったので、惜しいハナ差の4着だった。


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「あなたはどのレースにするの?」


とNさんが横にいる僕の顔を見ながら言った。二人ともまだベッドの中だ。


「だいたい決めたよ」


と言いながら、僕の方が最初にベッドを出て、トイレに向かった。


「今日は合計3レースだね」


とトイレから戻り、リビングのソファーに座りながら言った。


僕もPOG作戦で馬券を買うが、Nさんとは別のレースの中から次の3レースを選んだ。


○阪神5R 3歳新馬 ダ1800m

○中山6R 3歳新馬 芝1600m

○中山9R 黄梅賞 芝1600m


3レースともディープ産駒が出走し、人気になっている。その取捨がポイントだ。


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阪神3Rのパドックが始まった。


タキオン産駒のレディオスソープが出走するが、1番人気は5戦連続2着のアドマイヤカーリンだ。


「ここは無理しないわ」


とNさん。レディオスソープの複勝とアドマイヤカーリンとのワイドにしたようだ。


「血統だけなら1番だけどね」


と僕が続けた。


「じゃあ、単勝も100円だけ買うわ」


とNさん。今日は待ちに待ったレーヴディソールが出走するので、朝からウキウキしている。


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阪神3Rは2番人気のマルカプレジオが勝ち、2着は3番人気のクレスコグランド、圧倒的な1番人気のアドマイヤカーリンは今日も勝てずに3着だった。


レディオスソープは8着かな」


と僕がレースビデオを見ながら言った。


「やっぱり、牡馬といっしょのレースはたいへんね」


とNさん。


「行きっぷりは悪くなかったから、少し距離が長いかもしれない」


と僕が続けた。母父がサクラバクシンオーなので、前走から200m延びた2000mという距離が気になっていた。


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次は阪神5Rの新馬戦で、僕のPOG作戦のレースだ。


「珍しく、ディープ産駒のサクラアルディートがダートの新馬戦に出走するけど、3番人気だね」


と僕がオッズを見ながら言った。


1番人気はシェイク・ハムダン殿下のマスターオブライト、2番人気はサンデーRのスラストラインで、Redoute's Choice産駒だ。


サクラアルディートはサクラプレジデントの半弟ね」


とNさんが出馬表を見ながら言った。


「そうだね。父も母系も芝向きだから3番人気なんだろうね」


と僕が続けた。


「ダートの1800mだから、この距離に強いシンボリクリスエスとロックオブジブラルタル産駒からねらうよ」


と僕が言った。シンボリクリスエス産駒はソルシエール、ロックオブジブラルタル産駒はロードエスティームで、どちらも一口馬だ。


2頭の単勝に、馬連とワイド、2頭+1~3番人気の3連複にした。


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中山5Rの未勝利戦(牝)はNさんのPOG作戦のレースで、タキオン産駒のヴィーヴァタキオンが出走する。


「大外のバウンシーチューンが2倍台の1番人気だけれど、ここは混戦模様だね」


と僕がオッズを見ながら言った。


「ここもあまり強気になれないけど、1枠1番に期待するわ」


とNさん。ヴィーヴァタキオンの複勝に、1~3番人気とのワイドにするようだ。


「僕はジャングルポケット産駒のメイアイヘルプユーにするよ」


と続けた。単勝は13倍台で、離れた5番人気だ。


馬券は、メイアイヘルプユーの単複に、1~3番人気との馬連だ。


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阪神5Rは、3番人気のスラストラインが勝ち、2着には4番人気のサクラアルディート、3着は2番人気のアドマイヤリボーだった。


中山5Rは、1番人気のバウンシーチューンが勝ち、2着はメイアイヘルプユーが逃げ残った。


馬券は1勝1敗で、中山5Rの馬連とメイアイヘルプユーの複勝が的中した。


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次は中山6Rの新馬戦で、僕のPOG作戦のレースだ。

ここにはディープ産駒が2頭出走し、2番人気と4番人気になっている。


「いいメンバーが揃ったね。1番人気はタニノギムレット産駒のオークヴィルだけれど、マイルのレースだから、キングカメハメハ産駒のエーブフウジンと、今年好調なネオユニヴァース産駒のエイダイポイントにするよ」


と僕が出馬表を見ながら言った。


馬券は、2頭に1番人気を加えた3頭の馬連と3連単にした。


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中山6Rは、12番人気のベルモントカントルが勝ち、2着は2番人気のロイヤルインパクト、3着は6番人気のサクラブライトだった。


「荒れるとは思ったけどね。それに、ディープ産駒は中山コースに実績がないから2頭ともはずしたけど…」


と僕がため息交じりにつぶやいた。


単勝は8,490円、馬連でも17,110円の万馬券になった。


「あなたには向かない馬券よ。気にしない、気にしない」


とNさん。Nさんはいつも前向きで、終わった後はサバサバしている。ヤスさんが気に入っている性格で、気の小さい僕にとっては女神とも言える存在だ。


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次は中山9Rの黄梅賞だ。


6Rと同じ芝1600mで、ディープ産駒のプランスデトワールが2倍台の1番人気になっている。


「6Rを見ると、今の馬場は先行有利だね」


と僕が出馬表を見ながら言った。


「そうなると、どの馬になるの?」


とNさん。


「1番のリンゴット、4番のショウナンカライス、7番のジャービスといったところだけど、1番人気のプランスデトワールも先行タイプだね」


と僕が応えた。


「先行する4頭のボックスでもいいけど、差しのオメガブレインも魅力的だね」


と僕が続けた。


「ヤスさんなら、逆の方の差し馬でしょうね」


とNさんが言った。


「そうだろうね。ここはその方が面白いかもしれないね」


と僕が応えた。


馬券は、オメガブレインの単勝と、先行4頭との馬連にした。


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中山9Rの黄梅賞は、3番人気のオメガブレインが勝ち、2着は1番人気のプランスデトワールだった。


オメガブレインの単勝と馬連が的中したが、直前になってオッズがかなり下がっていた。


「ねらい通りのレースになったわね」


とNさん。Nさんの後押しがあって的中した馬券だ。


「やあ、ありがとう。おかげでね」


と僕がNさんの頬にお礼のキスをしながら言った。


「うれしいな、わたしも」


と言いながら、僕の首に腕を巻きつけてきた。


Nさんは、黄梅賞の前の中山8Rでタキオン産駒のレオプレシャスが勝ち、単勝が的中していた。1番人気で払戻も400円だったが、タキオン産駒が勝ち、今日初めて馬券が的中したので、それで十分だったようだ。


「やっと勢いがついてきたわね。このまま続くといいね」


とNさんが僕の胸に寄りかかりながら言った。



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次は小倉10Rのあざみ賞で、タキオン産駒のアグネスアンジュが出走する。



「ここは1番人気のミヤジエムジェイを含めて小倉の萌黄賞組が多いけど、中山の春菜賞に出走したアグネスアンジュカノヤキャプテンが面白そうだね」


と僕が出馬表を見ながら言った。


「じゃあ、わたしもそうするわ」


とNさん。このところ、Nさんは僕に頼り切りだが、きっとそうしようと演技しているのだろう。


馬券は、アグネスアンジュの複勝に、ミヤジエムジェイカノヤキャプテンへのワイドにしたようだ。


僕も同じ組み合わせで、3頭の馬連と3連複のボックスだ.。


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小倉10Rは圧倒的な1番人気のミヤジエムジェイが勝ち、2着は3番人気のピルケンハンマーだった。


「また4着だったわ」


とNさん。アグネスアンジュはクビ差の4着だった。


「もう少しだったけどね。アグネスアンジュは10番人気だったけど、よく頑張ったよ」


と僕が続けた。


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阪神11R、チューリップ賞のパドックが始まった。いよいよレーヴディソールが登場する。


「プラス10キロね。よかった!」


とNさん。3か月ぶりのレースなので、馬体重が心配だったようだ。


「きっと、ヤスさんも店で応援しているよ」


と僕が言った。


「そうね。終わったら、ヤスさんのお店で祝勝会をしましょうね」


とNさん。単勝の1.1倍を見て、もう勝ったような気になっている。馬券はまったく買う気がないようだ。


「問題はレース振りだね。あまり楽をしすぎるのもよくないよ。それにスタートが少し心配だね」


と僕が少し脅かすように言うと、


「そうね。いつもスタートが悪いものね」


とNさん。


「でも、パドックでも落ち着いているから大丈夫だよ」


と僕がNさんの肩に手を回しながら言った。


「でも、だんだんと心配になってきた」


と言いながら、Nさんが僕の手を自分の胸に持っていった。胸の谷間から大きな振動が伝わってきた。


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チューリップ賞は単勝1.1倍の人気に応えてレーヴディソールが圧勝した。


「うわー、スゴイ、スゴイ!」


とNさんが僕の背中に乗って踊るように弾んだ。


「いやあ、すごいの一言だね」


と僕も唸るようにして言った。


「心配したのがバカみたい」


とNさん。2着は2番人気のライステラスだったが、4馬身差で、レーヴディソールの上がりは33秒6だった。


「最高の試運転になったね」


と僕が続けた。あまり負担をかけずに終わったことがいちばんだが、それでも福永騎手がゴール前で軽く押していた。本番のために、最後まで力を抜かせないようにしたのだろう。


「ああ、いい気分。みんな脱ぎたくなっちゃった」


と言いながら、Nさんは本当に服を脱ぎだした。


「あなたもよ」


と全裸になったNさんが言った。大きな胸と腰の張りが素晴らしく、からだ全体が輝いている。


よーし、と言って僕も服を脱ぎ、Nさんといっしょにベッドにダイビングした。


今日もヤスさんの店に行くのが遅くなりそうだ。


(つづく)