毎週のようにハーツクライ産駒が勝ち上がっていますが、今週も3勝し、勝利数で2歳リーディングのトップに立ちました。
これまでに12頭が勝ち上がっていますが、7頭が社台系以外の牧場で、それもすべて異なる牧場であることが大きな特徴です。また、12頭のうち、牡馬が6頭、牝馬が6頭というのも珍しく、初年度産駒は牝馬が活躍する傾向が多いのが一般的ですので、それも含めて、社台系以外の生産者からすれば極めて貴重な種牡馬と言えるかもしれません。
ハーツクライの今年の種付料は300万円ですが、ディープインパクトの900万円と比較すれば3分の1という安さです。それもあってか、今年は211頭に種付けしましたが、2008年が148頭、2009年が144頭でしたので、大きく頭数を増やしたことになります。今年の種付けは産駒がデビューする前のことでしたので、育成段階から生産者や厩舎サイドの評価が高かったのでしょう。来年はますますその人気が高まりそうですが、種付け料がどのぐらい上がるのかも注目です。
昔、テスコボーイというリーディングサイヤーがいましたが、日本軽種牡馬協会の持ち馬でしたので、生産者は誰もが安い金額で種付けできました。その息子のトウショウボーイも同様で、2代続けて「お助けボーイ」と呼ばれました。抽選に当たり、牡馬が生まれれば銀行も希望額を融資してくれたという伝説も残っています。テスコボーイもトウショウボーイも配合相手に恵まれたとは言えなかったのですが、そのハンデにもかかわらず、素晴らしい産駒を輩出しました。
ハーツクライも「お助けクライ」と呼ばれるようになるかもしれません。そう呼ばれるかどうかは来年の種付け料にかかっており、多くの生産者のためにもあまり値上がりしないように期待したいものです。