英文精読講座 第2回 解説 | 塾長雑記帳

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第1文は問題ないでしょう。undergo a revolution は直訳であれば「革命を経験した」となりますが、ここでは「革命的な変化を経験した」「すっかり変わった」ということです。大袈裟な比喩表現です。

 

第2文はいくつもあるthat の用法がポイントです。3行目からのI think に対する目的語は that SVの部分です。このthat は名詞節を導く接続詞のthat と文法書には書かれています。このthat節が、3つ並列されていることを見抜くのがまず第一です。第2文の骨格は、I think that〜, that 〜, and that〜. の形であることになります。

that 節の一つ目にある in the world は直訳なら「世界中で」となりますが、on earth と同様の、強調語句です。there is far too much work done のdoneはworkを修飾する分詞で、直訳すれば「あまりにも多くのなされた仕事がある」となりますが、要するに「もう仕事は十分やった、たくさんだ」ということでしょう。

また、二つ目のthat節に belief that SV「SVという信念」がありますが、このthat は同格の接続詞that といい、belief の内容を説明しています。idea とか truth とかfact などが同格の接続詞that とともに用いられれやすいものです(もちろん他にもいっぱいあります)。

三つ目のthat 節ではwhat (S) Vの形が一まとまりで名詞節になることに慣れていることが鍵です。what が主格になっているときはSなしで、この文章のような what Vの形になります。名詞節なので、主語や目的語になるだけでなく、補語にもなりますし、この文章のように前置詞の目的語にもなります。

 

ラッセルは、自分は勤勉が美徳であるという道徳観にしたがって生きてきたが、これは違うのではないか、という問題提起をしているのです。

和訳をすると、以下のような感じになるでしょう。

 

しかし、私の「行動」は今も良心に支配されているが、「考え方」はすっかり変わってしまった。一体全体、我々はあまりにも働きすぎており、労働は美徳であるという信念によって甚大な被害が引き起こされている。そう考えると、現代の産業国家において人々に教え説くべきことは、これまでずっと教え説かれてきたこととは全く異なるはずであると私は思うのだ。