新卒採用についての企業へのアンケートから(4)

 

採用活動における業界の温度差

 

 

ほとんんどの業種で、採用を増やすと言っている企業の方が減らすと言っている企業より多いのですが、特に、IT関連、飲食サービス、教育関連などの第三次産業の業種では、ほとんどの企業が、採用人数については現状どおり、または増やすと答えています。この傾向は前年度から続いており、恒常的な人手不足の状態があるようです。

 

確かに、大量採用大量離職、長時間労働、シフト勤務、など、過去の悪いイメージを払拭出来ず、採用活動で苦戦を強いられている業種かも知れません。「9時5時で土日が休み」というわけにはいかないのも就活生に敬遠されるポイントです。

ただ、考えようによっては狙い目かも知れません。

 

1990年代以降、第二次産業(製造業)での就業者は減少し、上記のような第三次産業での就業者が増加していきます。1990年代では、第二次産業に対して第三次産業での就業者は1.5倍程度であったのに対し、2016年には3倍にも膨れ上がっています。(総務省データ)

 

製造業の海外移転や機械化・生産性の向上による就業者数の減少、サービス業におけるパート・アルバイトの増加、など、様々な要因がありますが、やはり、社会に対して付加価値を生み出す源泉が、ハードからソフトに移行しているということではないでしょうか。

 

ただ、金融や不動産などの一部の業種を除いて、日本の多くの第三次産業は成熟して行く過程にあり、事業運営や従業員の働き方など、まだまだ課題は多いのだと思います。それが故に、就活生から敬遠されがちになっているのだと。

逆にいうと、その課題を解決できる企業が優秀な人材を集め、今後の大きな発展に繋げていけるのではないでしょうか。

もう既に、政府の働き方改革の後押しを受けて、大きく変わってきている企業も増えて来ています。

 

ソフト面での躍進は、今後の日本の大きな課題になっています。観光、おもてなし、ゲーム、アニメなどに代表されるような、コンテンツで勝負するのが第三次産業です。労働条件、労働環境が整えば、今後の発展を考えると、非常に面白い業種だと思います。

 

就活生の皆さんにおかれましては、世の中の風評や先入観に惑わされることなく、自分の目と耳でしっかりと確かめ、自分に合った企業を探し出して下さい。

 

周りが何と言おうと、自分に合っている、自分が面白いと思う仕事が一番です。