新卒採用についての企業へのアンケートから(3)

 

 

採用スケジュールは長期化

 

 

今年の10月時点でも半数以上の企業が採用活動を続けていました。12月でも多数の企業が採用活動を続けています。

理由は、予定数が充足していない、良い人があれば採用したいなど、様々ですが、昨年に比べても、内定辞退者の補充という理由が目立っています。

 

じっさい、4割以上の企業が、前年よりも内定辞退者が増えたと言っています。企業にとっても終わりが見えない状況です。

 

 

一方、建前の広報開始の3月は今年と同じですが、実質は就職サイトのプレオープン、業界セミナー、インターンシップと、名前を変えての広報活動は12月以前より始まっています。

 

また、同様に選考開始は6月ですが、3月からエントリーシートの受付は始まりますし、4月からはマッチング面談やOB面談、懇談会など、6月からの短期選考に備えての採用活動が繰り広げられます。合否は明らかにされませんが、実質の選考です。

 

当然のことながら、外資やマスコミなど協定をあまり意識しない企業も多数あります。

 

ここまで本音と建前が乖離してしまうと、制度の形骸化は免れません。近いうちに、就職協定の変更があるかも知れません。とはいえ、就活生にとっては、翌年に協定の変更があろうとも今年の就活には影響はしませんので、足元の状況がどうなっているのかが重要です。

 

前述のとおり、採用活動は長期化されますが、就職活動もそうなるかといえば、一概にそうとはいえません。

全ての人にはそれぞれの人生があるように、全ての就活生にもそれぞれの就活があります。それぞれの就活に合わせたスケジュール、タイミングがあります。

 

これは、今までの人生、どう生きてきたかということに大きく関わってきます。

 

全て整えられた環境で、与えられた課題をクリアしていく人生を送ってきた人が、自己責任で就職先を探し出し選択せよ、と言われても、これはなかなか難しいことです。

また、何か自分の好きなことに情熱を傾けて一生懸命取り組んだことのない人が、どんな仕事をしたいか、と言われても、一般的な漠然としたイメージしか湧かないかも知れません。

 

そういう人は、企業が採用活動のために行う耳に心地いいプレゼンではなく、実際に働いている色々な人の話を聞いて、働くということの意味や自分にとっての働き方について、じっくりと考える時間を多く取ることが必要かも知れません。

あるいは、自分探しの森に迷い込んではいけませんが、何をしている時が自分のパワーをMax出せるか、しっかりと自分に問いかけることも大切でしょう。

それも含めて就活というのであれば、時間が掛かるかも知れませんし、そうなると、出来るだけ早く着手する必要があります。

 

何をしたいかはっきりと分かっている人は、その企業・業界のスケジュールに合わせて活動をしますので、一気に終わることもあれば、残念ながらマッチングがうまくいかず、再調整、リセットスタートのために、思いのほか時間がかかる場合も出てきます。

 

ケースバイケースといえばそれまでですが、企業の採用活動が多角化している以上、就活もそれに合わせる対応が必要となります。

 

何度も言います。就活は合うか合わないかです。

 

早く決着をつけたいのはやまやまでしょうが、悔いの無い就活を進めるために、しっかり、じっくり、焦らずに、自分を信じて頑張りましょう。