[就活雑感]  企業が求める人材(4)

 

  1. 意欲的に物事に取り組む
  2. コミュニケーション能力が高い
  3. 素直である

 

マスコミやネットでは、様々な話題の中で、「コミュ力」、「コミュ障」などの言葉が登場し、コミュニケーションについて語られています。採用活動でも同様で、応募者のコミュニケーション能力を重要視します。

 

このように、企業が採用活動において、応募者にコミュニケーション能力を問うようになったのは、企業が事業を進めるにあたって、コミュニケーションの重要性が、ますます高まっているからです。

その背景には、「日本人の価値観・生き方の多様化」、「世界に向けての企業活動の拡大」、「社会変化のスピードアップ」などがあります。

 

コミュニケーションとは、双方向の意思の疎通です。自分が相手のことを理解し、相手が自分のことを理解して、初めて成立します。

良いコミュニケーションを行うためには、相手がどのようなことを考えているのか、自分がこう言うと相手はどう感じるのか、というようなことを感じ取ることが重要になります。

そこでは対人感受性が求められます。

 

コミュニケーションの中心になるのは会話ですが、会話はキャッチボールと同じです。良いボールを投げてあげないと相手は受け取れないし、また、良いボールを返してもらえません。相手からの投げかけに対してどう受け取るか。自分の反応に対して相手はどう対応するのか、また、それをどう想定するのか。そういうことを考え、感じ取ることができる特性が対人感受性です。

 

対人感受性を高めるためには、想像力と思いやりの心が大切です。また、色々な種類の人との出会いの経験が必要になります。

ただし、多くの人との関わり合いを持ったとしても、それが同質の人の集まりでは、余り意味を成しません。同世代の人たち、部活やサークルの仲間、小中高時代の地元の友達などだけであれば、対人感受性を磨くことは出来ません。

世代の違う人、立場の違う人、考え方の違う人、歴史や文化の違う人達と深く接することにより、対人感受性が高まります。

そのような人たちと関わる場合は、相手の価値観や文化の違いを知ることにより、より一層の深い理解に繋がります。それと同時に、自分についても相手に解るように発信すると、より良い相互理解につながります。

 

企業活動の中で、自分と考え方の違う人と同じゴールを目指す場合、コミュニケーション能力の良し悪しで、上手く行ったり行かなかったりすることがよくあります。たとえ自分と考え方や価値観が違ったとしても、互いに相手のことをよく理解し、尊重し合うことができれば、プロジェクトは成功します。ここに、本当の意味でのコミュニケーションの醍醐味があるのだと思います。

 

このことは、日本人の間だけではなく、外国人との間にも成り立ちます。異文化コミュニケーションにとって、言語を扱う能力(いわゆる語学)は重要な要素となりますが、語学はあくまでもツールであって異文化コミュニケーションの力を表す指標にはなりません。語学ができるので、あるいは語学力を生かしたいので海外の仕事がしたい、という就活生の方と時々お会いしますが、重要なのは語学力ではなくて、その人のコンテンツや生き方・考え方だと思っています。