[就活雑感]  企業が求める人材(3)

 

  1. 意欲的に物事に取り組む
  2. コミュニケーション能力が高い
  3. 素直である

 

例えば、「学生時代に何か一生懸命取り組みましたか?」と、面接で聞きます。すると、部活、サークル設立、ボランティア活動、勉強・研究など、それなりに色々と出てきます。エピソードを聞いても、二・三の苦労話を伴って、具体的な内容を説明してもらえます。

この質問は、面接での最頻出質問として、マニュアル本で紹介されることが多く、従って対策は練られているのです。

ただし、次の質問で多くの方の思考が止まってしまいます。

 

 

「なぜ、そうしようと思ったのですか?」

 

 

色々なことに取り組んだのは分かった。困難を乗り越え、ある時は挫折した経験もした。でも、それは自らの意思だったのか? 絶対にやり遂げたいと思ったのか? それはなぜか? モチベーションの源泉は何か?

 

就活対策で作り上げた回答は、その根っこを掘り下げた場合、簡単に倒れてしまいます。

 

 

第1項で重要なのは、「意欲的に」という部分です。

 

 

では、意欲とは何でしょうか。

 

意欲とは、自発的積極的に何かをしようとする思いのことで、自ら選択した目標に対して積極的に働きかける意思活動をあらわします。

 

言われたことを言われたとおりにやる人も企業にとっては必要です。どんなことを言われて、どの程度出来ないといけないのかについては、企業によって様々なレベルがあり、一概には言えませんが、それがES、一次選考の基準となります。

 

しかし、「言われたことはちゃんとやるけれど、指示待ちだから。」とか、「自分の頭で考えずに、盲目的に仕事をしている。」とか言われる人は、将来的には企業にとって有り難くない人材になっていくので、出来れば意欲的な人を採用したいと企業は考えます。

 

「なぜ、そうしようと思ったのですか?」という質問の背景には、もし、自ら選んだ目標に対して積極的に働きかけたのであれば、それを達成しようとする原因になるようなこと(モチベーション)があったに違いない。それが無い、あるいは明確でないのであれば、意欲的に取り組んだとは考えにくい、あるいは表面的な活動だったのではないか、という仮説があります。

 

ただ、その人が意欲的であるかどうかについては、人間の成長においてかなり初期に決定されます。自分から進んで何かを行う、自分で意思決定する、自らが外部環境に働きかける、というような行動をとおして、人格が形成されます。子供の時にそのような行動・経験をしていない人は、大人になったからといって、なかなか出来るものではないのです。

 

ですから、

 

自己分析では、「なぜなぜ」を繰り返して、自分の意欲の源泉には何があるのか、しっかりと見極めることが大切です。逆に、明確な回答が得られないとすれば、その人は、意欲的に物事を取り組む人ではない可能性があるということになります。そういう人が、積極的な事業展開を行なっている企業や、自己裁量の範囲が大きく新しいことにチャレンジすることを望む企業を志望したとしても、マッチングは難しいと考えられます。

 

仮に、意欲的に何かに取り組むことが苦手な人であったとしても、真面目にコツコツと決められたことを正確にやり遂げることが必要な企業・仕事は沢山あります。そういう仕事を探した方が、結果としてその人の幸せに繋がると思います。

 

就活は、「合うか合わないか」ですから、ミスマッチがあると上手くいきませんし、仮に就職できたとしても、将来、仕事をしていくことが辛くなります。