新卒採用活動に際して企業はどのようなことを考えるのか。
新卒採用者に対しては、育てることを前提にしていますので、短期的なアウトプットを求めない代わりに、学習能力の高い人を求めます。これは、ただ単に受験勉強を頑張って有名大学に入ったということではなくて、色々な経験から自ら学ぶことのできるということです。
そのためには、基礎学力は必要ですが、自分から働きかけることが出来るかということの方が大切です。また、何事にも興味を持って取り組めるかということも必要となります。社会では、知識よりも経験によって学ぶことの方が圧倒的に多いのです。
また、育てるためには時間がかかりますので、その間に辞めてもらっては困ります。したがって、辞めない人を求めます。そのためには、心身共に健康でなくてはなりません。プロスポーツ選手でない限り、際立った身体能力は必要としませんので、やはりメンタルでしょう。
挫けない心、頑張る力、ストレス耐性、などが必要となります。明るいとか、大人しいとかなどの性格特性については、優先順位が下がります。
(一部のブラック企業においては、従業員は使い捨てと考えていますから、育成に力を入れることはしませんので注意が必要です。)
忘れてならないのは、企業は組織で運営されるということです。多くの人との共同作業を通して仕事は進められます。そこではコミュニケーション能力が求められます。コミュニケーションといっても、口が達者だということではありません。相手の言いたいことを正しく理解し、自分の言いたいことを適切に表現する技術です。
また、多くの人と気持ちよく仕事をしなければなりません。そのためには、相手に敬意を払い、相手のことを思い遣る気持ちが必要です。
これらの三点、学習能力、メンタル特性、対人感受性がしっかりしている人は、企業にとってwelcomeということになります。
企業の採用活動では、グループワークや面談・面接で、これらについて明らかにしていこうと試みます。
ただし、すべての企業が同じ軸で確認するわけではありません。企業はそれぞれに、その特性やビジネスモデルなどによって、必要とする人材像が異なります。いくら前述の要素が整っていても、その企業で有効な行動特性がなければマッチングしないということになります。要するに合うか合わないかの世界です。
では、このような状況で、どのように就活を捉えれば良いのでしょうか?(続く)