HPVワクチンの最新動向について書きます。
HPVワクチンの基本的な知識についてはみんパピのHPを見てください。こちらは女性向けです。優秀なお医者さんたちがボランティアで情報発信をしているので女性向けの情報は非常に充実しているのですが、男性向けの記事は古い上に必要十分な内容が書いてありません。
簡単に説明すると、HPVワクチンは女性しか発症しない子宮頸がんだけでなく、男性でも発症する中咽頭がん(のどのがん)や肛門がんなどを防いでくれるワクチンです。
HPVワクチンには、2価と4価と9価の3種類があります。男性のがんを含めた幅広いがんを予防してくれるのが9価のHPVワクチンです。自費でも公費でも女性でも男性でも◯価のHPVワクチンは全く同じものが使用されます。
2価と4価と9価の中では、9価のHPVワクチンが最も効果が高いと考えられていますが、9価のHPVワクチンは自費で接種する際は2価と4価のHPVワクチンよりも費用が高いです。
9価のHPVワクチンは自費で接種する場合は2価と4価のHPVワクチンよりも値段が高いのですが、結論から言うと男女ともに9価のHPVワクチンを接種した方がいいです。パートナーがいる女性はできれば性的な交渉を持つ前に男性にも接種してもらったほうがいいです。
女性だけでなく男性に対してもHPVワクチンが定期接種の対象になっているオーストラリアでは、これから15年ほどで子宮頸がんが撲滅されると予想されています。男女ともにHPVワクチンを接種すれば、男性のがんだけでなく女性に発症する子宮頸がんなどを大幅に減少させることができるということが分かっています。これについては後で説明をします。
それに対して、女性のみが接種対象になってしかも一時的に接種対象者の女性への接種率が激減した日本では、年間で3000人近い女性が子宮頸がんで命を落とすと推計されています。
がんを切除しても後遺症が残ることがあります。手術が成功してもリンパ浮腫や排尿障害になってしまうとQOLが大きく下がってしまいます。後遺症についてはこちらの記事を読んでください。
男女共通のがん、男性のみが発症するがんとその効果についてはこちらのパーソナルヘルスクリニックが最新のいいまとめを書いています。男性についての情報の更新はみんパピよりも速いです。
つまり、HPVワクチンは男女ともにがんを防いでくれるワクチンです。子宮頸がんや咽頭がんは若い年齢でも発症します。若い時に発症したがんは非常に進行が速いです。若い年齢で発症したがんは気づいたときには手遅れになっている、という可能性が高くなってしまいます。
現代では人類の夢であったがんの発症を予防してくれるワクチンが存在しています。これを知っているのと知らないのでは、その人のQOLと寿命に大きな差が付いてしまいますが、国も専門家である医者も情報発信が下手くそすぎて必要な人達のもとに正確な情報が届いていません。だから中卒の僕がこのような記事を書いています。面倒くせえ。
今の時点ではHPVワクチンについて素人が自力で正確かつ有用な情報を得るのはまず無理ですが、誤情報にまどわされないようにしましょう。僕が書く内容にはすべてソースを付けています。このうちのいくつかはHPVワクチンの専門家の中でも有名な専門家のXをソースにしています。
まともな医師はSNSでの個別の医療相談には対応していませんが、僕がこのブログで誤情報を流していたらお医者さんは烈火のように怒ります。僕が書いている内容がおかしいと思ったらいつでも通報してください。
東京でのシルガード9の平均的な接種費用は1回あたり3万円から4万円程度です。男性とキャッチアップ年代を過ぎた女性は接種が自費になります。自費でワクチンを接種する場合、初診料には保険が効きません。そのため、1回も行ったことがないクリニックでワクチンを接種する際は初診料としてプラス3000円ほどの費用がかかります。
男性が自費で接種する場合は自分でクリニックを探す必要がありますが、シルガード9を女性限定にしているクリニックがたくさんあります。予約が取りやすくて費用が安くて男性可のクリニックを自力で探すのはなかなか大変です。
僕は接種費用が当時27500円と、東京では破格の値段だったあるクリニックを見つけて、メールで男性も可能かどうかを問い合わせてから予約をして新木場まで行ったことがありますが、受付で「男性は接種できない。日本中どこのクリニックに行っても男性は9価のHPVワクチンを接種できない」と間違った説明をされて接種ができませんでした。マジクソです。
2価と4価と9価のHPVワクチンにはそれぞれ名前がありますが、現時点ではそれぞれのワクチンの正確な名前は現場の医療従事者でも把握していないことがあります。男性が初回の接種を希望する場合にはメール等で問い合わせをする時は「私は◯歳の男性です。2価や4価のHPVワクチンではなくて、9価のHPVワクチンの接種を希望します。◯歳の男性で、9価のHPVワクチンの接種は可能ですか?」などと書くといいでしょう。
現時点で日本国内で承認されている9価のHPVワクチンはシルガード9です。シルガード9が承認される前はガーダシル9という、日本では未承認ですがワクチン先進国のアメリカなどで承認されていたガーダシル9というHPVワクチンが流通していました。シルガード9が承認される前は男女ともにシルガード9を接種するという以外の選択肢はなかったのですが…
ここはややこしいのでお酒を飲んでいない時にまとめます。
僕のおすすめはKARADA内科クリニックです。渋谷と五反田にクリニックがあって、初診料は3,300円、9価のシルガード9は1回あたり30,800円と東京ではかなり安い値段になっています。インフルエンザまたはコロナワクチンを最初に接種する場合は初診料が無料になります。インフルエンザまたはコロナワクチンを接種した後にシルガード9を接種する場合は3,300円の初診料が必要ありません。※
予約は非常に取りやすくて当日でも予約枠がある日が多いです。もちろん、男性でも接種できます。僕の問診をした先生は男性で47歳の時に接種をしたと言っていました。
https://x.com/tiger_F_cheng_/status/1685191943335399424?s=20
あ、過去のツイートを見たら正確な先生の年齢は48歳でした。
(※の訂正)
初診料が必要ない場合でも1回目の接種の時は診察料が必要になるみたいです。それから、自費診療扱いなので初診料or診察料には消費税がかかります。ワクチンを接種できたことが嬉しくて支払いの時に値段を見ていなかったので気が付きませんでした。
インフルor新型コロナウイルスのワクチン以外は初診ではなくても診察料がかかるようです。時間がある時に問い合わせてみます。
基本的には異なるワクチンを接種する場合は2週間の間隔を開けるように推奨されています。ワクチンで生じるほとんどの副反応は2週間以内に起こることが知られています。今のワクチンは昔と違って安全性が非常に高いのですが、2週間以内に複数のワクチンを接種した場合に万が一重篤な副反応が起きた時はその副反応がどちらのワクチンで生じたのか分からないので、どちらのワクチンも接種できなくなってしまいます。よほどの理由がない限り2週間以上開けた方がいいです。
接種間隔についてはお医者さんに相談してください。
インフルエンザワクチンと新型コロナウイルスワクチンについては同時接種が可能だと厚生労働省がアナウンスしています。もちろん強制ではないので不安な人はお医者さんに相談するか、接種間隔をずらしましょう。
https://x.com/MHLWitter/status/1712664928002474469?s=20
僕は同時接種は嫌です。理由は、単純に注射が嫌いだからです。1日に2回も注射をするのは耐えられません。
どのワクチンも接種してから十分な抗体価が付くまでに時間がかかります。接種したその日に合体してしまうと意味がないです。9価のワクチンを接種してからどれくらいで十分な抗体価が付くのかということに関してはクリニックで聞いてください。論文を探せば出てくるとは思うんですけど、そこまでやるモチベは僕にはないです。
東京都では男性接種の支援を検討すると報道されています。都議会は閉会したので支援が決定したというわけではないです。
男性でキャッチアップの対象になれば女性と同じように、自費で接種した分の支援がある可能性が高いです。厚生労働省のHPを見ると女性のキャッチアップ世代で自費で接種した分は2価と4価のみで9価については書いていないですが、大阪市のHPを見ると9価のHPVワクチンも払い戻しの対象になっています。接種した際の領収書は捨てないで取っておくといいです。このことを知っていれば支援が決定する前に自費でワクチンを接種して払い戻しを受けることができます。僕ですか?男性への接種の支援が検討されるという報道が出る前に接種をしたので領収書はとっくの昔に捨てました!ガハハ!!!
日本産科婦人科学会にもHPがあって、みんパピは医師の団体が啓発活動をやっているんですけど、この両方を見ても最新の情報は手に入りません。HPVワクチンの接種率が上がらないのはそういうところです。Xではメディアが偏った報道をしたせいだと悲憤慷慨している医者がたくさんいますが、「がん」は医者自身です。なんで情報を1箇所に集約しないんでしょうか?
女性で接種とキャッチアップ接種の対象であれば9価のHPVワクチンを無料で接種することができます。HPVワクチンは接種する前に感染してしまったHPVに対しては効果がありません。男女ともに性的なデビューをする前に接種しないと効果が下がってしまいます。
https://x.com/Amamino_Kurousa/status/1707307813674848463?s=20
もちろん、性的なデビューをした後でも効果があることが分かっています。HPVワクチンにはがんそのものを予防する効果があることも分かっています。こちらはみんパピに詳しい解説が載っています。
WHOはHPVワクチンは1回の接種でもそれなりに効果があるというリリースを出しています。
https://x.com/ayako700/status/1513524033400487937?s=20
イギリスでは2024年から男女ともに1回の接種に移行します。
https://x.com/Amamino_Kurousa/status/1671448876463652866?s=20
イギリスのように「1回のみでいい」、というのはおそらく条件付きです。男女ともに接種率が高くて性的なデビュー前に多くの人が接種していれば1回でも高い効果が期待できますが、そうでない場合は1回では足りない可能性がありますが、3回は必要なさそうです。
これは自費で接種する人たちにとってはいいニュースです。1回or2回でも十分な効果があるだろうということが分かっているので、自費で高額なお金を払って3回目を接種するメリットは小さくなります。もちろん、お金に余裕があれば3回目の接種をした方がいいです。
HPVワクチンが予防してくれるヒトパピローマウイルスはいわゆる性病です。パートナーのどちらかしか接種をしていないとピンポン感染をしてしまいます。
人類はパートナーを頻繁に換えるので自国内のデータだけで論文にするのは簡単ではないですが、男女ともに接種をした方が効果が高い9価のHPVワクチンがカバーしてくれる各種のがんの発症率はおそらく低くなります。
これを自国内のデータではなくて、国際的な比較で証明するのは手法としては簡単ですが倫理的に大きな問題があります。男女ともに接種している国と、女性だけが接種している国のがんの発症率を比べればいいだけです。イギリスは前者を選択しましたが、日本は後者を選択しました。優秀な9価のワクチンの効果を考えると結果は目に見えています。
イギリスでは男女ともに1回だけの接種に移行しますが、日本は女性だけに3回の接種をするという選択肢を選びました。1人あたりの平均接種回数はイギリスは1回ですが、日本は1.5回です。イギリスよりも日本の方が費用が高くなってしまいますが、おそらくイギリスの方ががんの発症率は低くなります。厚生労働省も政治家も医者もまじでバカだよね。日本はイギリスよりもお金をかけて、若い世代の健康と命を差し出して間違った方向に進んでしまいました。
数字には生身の人間の健康や生き死にが関わってきます。専門家であるお医者さんたちにはもうちょっと頑張って欲しいですが、日本においては医師という職業の先行きは明るくないのでしょうがないかなあという気もします。
そういう国になってしまったのでしょうがないです。勉強をして自分と自分の家族の健康は自分で守るしかないです。
イギリスでは接種の対象年齢は12歳からですが、みんパピのHPでも詳しく解説されているようにHPVワクチンの予防効果は長く継続することが分かっています。
女性だけでなく男性への接種も進んでいるオーストラリアでは、2030年までに子宮頸がんが撲滅されると予測される、という論文がLancetに掲載されました。論文が掲載されたのは2018年です。
https://x.com/obgyntommy/status/1353126126198034435?s=20
さらに、オーストラリアでは9価のHPVワクチンが2018年から定期接種の対象になっています。
https://x.com/NicholasRennick/status/1577277085516673026?s=20
イギリスは見切り発車で男女ともにHPVワクチンを1回接種に移行したわけではなく、オーストラリアなどで積み重ねられたエビデンスに基づいて政策が決められています。
また新しい情報が出てきました。イギリスのNHSは「イギリスでは2040年までに子宮頸がんが撲滅される」と宣言しました。これは日本でも大きく報道されるべき大ニュースなんですけど、日本の記者のほとんどはド文系で、ド文系の記者でも理解できるような広報をやらないといけないお医者さんたちは広報のど素人です。広報のど素人の集まりであるみんパピがHPVワクチンの広報をやるやるっていっていますが、みんパピも広報をやる気も広報をする能力もない凡人たちの集まりなのでこういう大ニュースが出ても誰もHPを更新しようとしません。HPVワクチンの接種率が激減したのはこういうところなんだけど、まあしょうがないですわ。僕は救える人だけ救います。
https://x.com/tak53381102/status/1724789186849566880?s=20
HPVワクチンは、発症予防効果が半年も継続しない新型コロナウイルスのワクチンとは違って超優秀で長く継続することが分かっています。
もちろん、ワクチンの発症予防効果はウイルスの性質によって大きく変わってきます。新型コロナウイルスの基本再生産数(=何も対策をしていない場合のそのウイルスの感染の広がりやすさ)は非常に高いことが分かっています。新型コロナウイルスは空気感染する麻しんほどではないですが、インフルエンザとは比較にならないくらい感染力が高いです。
ちなみに、社会全体でマスクや三密を回避するなどの感染症対策をおこなったときの感染力を実効再生産数と言います。
あ、長崎県でHPVワクチンの接種率が上昇したのは僕のおかげです。僕は長崎では超有名人で、僕が好きなJKとJCや夜のお店の女の人達はいっぱいいます。前に使っていたインスタでは新型コロナウイルスのワクチンとHPVワクチンをJKやJCや夜のお店の女の人たちにも伝わるように分かりやすく書いていました。
https://x.com/Amamino_Kurousa/status/1602990212275126272?s=20
今日はお酒を飲みながら23時30分からちょうど1時間でこの文章を書きました。いろいろとやっている片手間でまとめただけなので、明らかな間違いがあればコメントで指摘してください。(この記事の大半は10月5日の深夜に書いたものです。酔っ払ってない時はやることがたくさんあるので、基本的には酔っ払って使いものになっていない時に更新します。)