私がブログを書く、エネルギーの一つに
「モンスターペアレンツ」って呼ばれるタメ親の存在がある。
以前にも書いたことがあるのであるが、
不思議なことに、塾の世界に登場するモンスターペアレンツ
（以後書くのが面倒くさいのでMPと略させていただく）は
学校に存在するMPよりはるかに少ないと思う。
不思議なことに・・・って書いたのは・・・・・
塾っていうのはそもそも営利商売で、通わせる親御さんも
決してお安くはないお金を払って子供を通わせているわけで
なんか少しでも不平不満があったら、すぐに塾に文句言ってきても
よさそうなものなのであるが・・・・・なぜか意外にに少ないのである。
意外に少ない・・・・って言えるのは
これまた、以前からブログを読んでいただいている皆様はご承知の通り
私は以前、公立中学校の教師だったこともあるんで、そんな教師経験からしても
塾っていうのは不思議なくらいMPに遭遇する機会が少ないと感じるのである。
ま、親方日の丸の平和ボケした学校の教師に比べて
塾の先生っていうのは、自営業で生活がかかってるわけだから
親御さんに不満を持たれないように一生懸命やってるってことも
あるのだろうけど・・・
それだけに、ゴクマレに塾に登場するMPどもは
ちょーディープでストレンジなヤツが多いのである。
しかも、たとえ無茶なMPであっても、こちらに多少なりとも非があれば
いい気持ちはしないし、落ち込んだり、反省したりもするんだろうけど・・・
ここ数年、たまに出没するMPっていうのは
道理も理屈も全く通用しないサイコーにガイキチなMPばかりなので
もう、困った・・・を通りすぎて・・・・・
職員一同、笑っちゃうことも少なくないのである。
今年に入ってからは、さすがにまだご紹介できるほどのMPは登場して
いないのであるが、昨年は比較的ヒットの多い年だったと言えるかもしれない。
その一つをご紹介すると・・・・
私の塾では、バスによる生徒の無料送迎を行なっているのであるが
近年、親子共々能力の低下が著しく、お迎えバスの昇降場所や
時間がなかなか伝わらないのである。
そんななか、今年一発目の大ヒットMPは、昨年の春期講習会の
初日に起こったのである。
その子は中学１年生で春期講習から塾に参加する男の子であった。
そもそもその子は、私の塾から歩いても５分程度の所に住んでいる。
フツーなら送迎バスなんぞを利用する距離ではないのであるが
最近の親御さんは「タダなら何でも絶対に使う！！」っていう
強いポリシーのもとに生活をされている方が多いようで、
面接の時には「あ、うちは塾から近いので歩いて通わせますぅ」
って言っておきながら、送迎バスが無料って聞いた途端
「あ、やっぱり送迎をお願いしますぅ」って平気で前言を撤回されるのだ。
ただ、もちろん送迎バスっていうのは、その子一人をお迎えに
行くわけではないので、たとえ塾から徒歩５分のお宅であっても
バスのルートによっては、バスに乗ってから塾につくまで
２０～３０分バスに乗っておかなくてはいけないこともあるのである。
しかし、そういった事象を説明しても、タダなら乗らなきゃ損！って勢いで
何が何でも送迎バスの利用を希望し、無意味な時間をボーッとバスの中で
過ごす子供も少なくないのである。
で、そのくせバスが塾について降りるときに
「あ～長く乗ったから酔ちゃったぁ。おれバス苦手なんだよねぇ～」
なんてぬかすガキもいるから、もう笑っちゃうしかないのである。
チョット話がそれちゃったが、春期講習会一日目の塾の近所に住む
中１の男子のお話である。
その子はお迎えは塾の近くのコンビニの駐車場になっていた。
初めて塾に来る子っていうのは、不慣れなことも多いので
バスの運転手さんにお願いして、チョット早めにお迎え場所に
行ってもらうようにしている。
その日も集合時間の５分くらい前にはその場所に着くようにしてもらって
いたのであるが・・・・・時間になっても結局その子は現れなかった。
結局、運転手さんはやむを得ずその子をスルーして、
他の子をお迎えしてバスが塾に戻ってきたのであるが・・・・
その運転手さんから「A君が乗って来ませんでした。」と報告を受けたんで
私がお家の方に連絡を入れようと思ったら・・・・・
あれ？その子が玄関にいるではないか？
事情を聞くと、「乗り遅れたんで歩いて来ましたぁ」とのこと。
そもそも歩いたって塾から５分なのだから、最初っから歩けばよかったのだ。
でも、まぁ、この子も塾初日なんで不慣れなことも多かろうと、
その件は不問に付して無事春期講習会の授業が始まったのである。
で、１時間目の授業が終わって事務室に戻ってくると・・・・・・
塾の留守番電話の留守電録音が８つも入っている。
何事かと思い再生してみると７つまでが無言電話である。で、８つ目に
「なんかコレは！！ズーッと留守じゃないかぁ！」
とややキレ気味のおっさんの声が入っていたのである。
もちろん、その８つとも同じ番号からの着信である。
コレは尋常じゃないぞと思ったんで、その番号にかけ直すと
いきなりベロベロ気味のおっさんが
「なんでうちの子を置いていったんだァ！！うちの子は集合場所に
時間通りに待っていたんだぞ！！どうなってるんだァ！ゴラァ～！」
と、お怒り全開なのである。
私はいきなりケンカ腰で話をしてくる人間は、正常な人間とは
思っていないので、「死ねばいいのに」って言って電話切ってやろうかとも
思ったが、なにせ１年間のスタート、大切な春期講習会の初日である。
ぶち切れそうになるのを抑えて
「バスの運転手も５分前には集合場所に着いておりました。集合時間が
過ぎても２分ほどはその場で待っていたということなのですが・・・・・」
って言うと
「あぁ～たった２分しか待ってないのかぁ？
お前のトコは塾だろぉ？10分前にはお迎え場所に来て
時間が来ても10分くらいは待つのが常識だろうがぁ！」
って、ますますヒートアップしておられるのである。
そもそも時間が過ぎても10分待つのが常識って
ドコの国の常識なんだヨォ？
でも、冷静に冷静に
「バスはお迎え時間が分刻みで細かく決まっておりますので
時間が過ぎても待つということは、申し訳ございませんが
できないんです。」って言ってあげたのだが
「じゃ、本当に待てないのかどうか、
そのバスのルートと時間を言ってみろ！」
ってますます無茶なことをおっしゃるのである。
「お前にルート言って何がわかるのか？いーかげんにしろ！！」って
言いたいのをグッとこらえて、そのバスの出発時間と立ち寄り場所を
読みあげてやりましたよ。
そしたら・・・・・
「もうイイ！！」って怒鳴って電話を切りやがったのである。
コッチに非がないとしても、なんかむかっ腹が立つのである。
すぐにその生徒を呼んで事情を聞くことにした。
だって、毎日こんな電話がかかってきたら、いくら穏健な私だって
いつかそいつの家にマイクロバスで突っ込むかもしれないのだ。
その子にクソ親父の影が重なったが、グッと怒りを抑えて
「今日は集合場所にちゃんと待っていたの？」
って優しく（顔は優しくなかったと思うが・・・・）聞いてあげたのである
そしたらそのガキ子は
「うん、ちゃんと待ってたよ、コンビニの中で。
そしたらバスが来て、見てたら時間になったから行っちゃったの。
だから家に帰ってお父さんに、バスにおいていかれたっていったの。」
お前はデクノボウかぁ！
集合場所はコンビニの駐車場近くだけど
お迎えバスは店内に入っていかねえんだヨォ！
って怒鳴ってやりたかったんだけど、そこはこらえて、極力優しく優しく
「あのね、バスは外で待っていようね。それから運転手さんは
お店の中まで迎えに行かないから、バスが来たらちゃんと乗ろうね」
って言って、教室に帰したのである。
だって、お迎えに来たバスをコンビニの店内で見送る・・・
なんて非常識は最近の子たちにとってはもう珍しいことではないので
怒ったって仕方が無いのである。
それにしても、異常なのはこいつのクソ親父である。
自分の子供の生活能力を把握できていれば、お迎えバスに乗れなかった
原因が自分の子にあるんじゃないかってコトくらいは分かるのではないか？
はなっから自分の非を疑わうこともせず、相手にケンカ腰で突っかかってくる
小学生低学年並みの頭で、よく親がつとまるものである。
私は日本教育のレベル低下に危惧を感じてブログを書いているのであるが
こんなバカ親に会うと、教育以前の日本人全体のレベルの低下を感じて
虚しくなってしまうのである。
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